大阪市は3日、多額の債務を抱える市立4病院の再編4案を有識者による市立市民病院経営検討委員会に提示した。4案ともに北市民病院(此花区、129床)は廃止し、民間医療機関を誘致するとした。廃止は来年度の見通し。市の病院事業の累積赤字は約390億円で、集約化して機能強化を目指す。
再編案では市立4病院について(1)総合医療センター(都島区)に一本化(2)センターと十三市民病院(淀川区)に集約化(3)センターは維持し、住吉市民病院(住之江区)を小児科などに診療科を絞って建て替え(4)北市民病院のみ廃止し、住吉市民病院は診療科を特化して建て替え――などとしている。
北市民病院は1940年開設。2病棟あり、入院患者は内科、小児科などに約90人。老朽化で震度6強の地震で倒壊する可能性があると指摘されているが、建て替え費用の捻出(ねんしゅつ)が困難なことや同じ医療圏の十三市民病院でカバーできることも考慮した。
4病院合わせた市民病院事業会計の07年度決算での累積赤字は389億円。センター以外の3病院はベッド稼働率が低く、厳しい経営が続いていた。(島脇健史)