September 03, 2008

病欠

いまの仕事を始めて、初めて病欠した。
ことの始めは電話会社。
自分の部屋に電話回線を入れるため
工事の人に来てもらったのだが、
朝8時半に来たのである。
いまの仕事のシフトになってからは
朝10時から11時頃に起床という生活になっているから、
いきなり起こされてリズムが狂った。
なぜか頭がクラクラ。その上に少し吐き気がして
食欲がわかない。
これはヤバイと思ってWALGREENへ行き、
血圧計を購入。すると上が153で下が110。
エンプロイ・サポート・センターに電話して
病欠を申し出た。這ってでも仕事は休まないというのが
私の仕事に対する姿勢なのだが、
ちょうど井上さん(元週刊ファイト編集長)と電話で話していて
「ひょっとしたら48時間以内に死ぬかもしれないぞ」と言われ、
びびってたじろいでしまった。

いま単身赴任生活でとある町のアパートにいる。
居候ではないのだが、
フライトアテンダントの女性のアパートを間借りしている。
職場から車で15分のところにあるレイクフロントの
アパート。間取りは2LDK。といってもアメリカだから
十分に広い。
(最もボストンやニューヨークやあっちのほうに行けば
東京のような狭い物件も珍しくないが)

リビングルームから湖が見える。
スッチーであるルームメイトは仕事がない夜は、
ランタンに火をともしてパティオで一杯。
彼女がいつも飲むのは赤ワインを炭酸で割ったもの。
「私は家を所有していないけど、
このゴージャスな眺めと3匹の猫がいれば幸せだわ」と
口癖のように言っている。
ルームメイトに付き合って私もワイン(私は割ったりしないが)
を飲むというパターンが増えている。

なにはともあれ、血圧の薬をのんで、
三時間ほど安静にしてしていたら楽になってきた。
で、サポート・センターに電話して、仕事に行った。
するとみんな驚いている。
「なんで病欠の届けを出してあとから来るんだ?」と
みんなに言われまくった。

「這ってでも仕事に来るのが俺の哲学だ」と言うと
みんなが呆れていた。

アメリカのメンタリティと自分の考えのギャップを
強く感じた。

これまでやってきた仕事は自分が休めば大きく迷惑がかかる
仕事ばかりだった。

例えば猪木さんのインタビューでロサンゼルスでやるとする。
表紙や巻頭カラーを予定していて、私が当日突然病欠したら、
その週の売りものはぶっ飛んでしまう。

仮に表紙や巻頭でなくても、カラーの見開き2ページでも、
なんらかの迷惑はかかる。あるべきものがなくなる。

メキシコのAAAの取材をしていた時、自分のいたところと
逆側に2人の選手が同時落ちた。
これは間違いなくトぺのシーン。
撮り逃すのが嫌だった私は必死に走って、そしてずっこけて
前のめりに転んだ。持っていたカメラが床と私の間に挟まった。
カメラは壊れず私の肋骨が折れた。

痛みと苦しさで脂汗だ出た。呼吸をすると激痛が走る。
5分ほど控室で唸っていたが、必死にリングサイドに戻って
撮影を再開した。

穴をあけてしまったら私に仕事をくれた人間に、会わす顔がなくなる。
何があっても仕事をまっとうするのが男たるもの。

激痛の中、なんとか大会終了まで撮影を続けた。

そういった姿勢で仕事をしてきたものだから、
いまの職場のみんなの考え方とはギャップがある…。

いまの職場は私が病欠しても、何もなかったかのように
稼動する。

それがわかっていても長年の習慣は変えにくいものがある。



jimmysuzukiusa at 13:42 │Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!

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