« いわゆる朝青龍問題と憲法 | Accueil

04/09/2008

医師1人あたりの医療費の国際比較は?

 日本の場合,GDPに占める医療費の割合を,国民1000人あたりの医師・歯科医の数で割った数値って,結構高いですよね。2004年のデータで,「4」ですからね(スウェーデンが約2.7,フランスが約3.2,ドイツが約3.1,イギリスが約3.3です。)。日本の場合,医師一人あたりの概算医療費は概ね1億円を超えますから,医療系コメンテータさん達の不満はともかくとして,医師に対してはそれなりに医療費を支払っている社会だということが言えそうです。それは,医師出身の国会議員が,医師過剰論に基づき,再三にわたり医学部の定員の削減を政府に働きかけた成果とも言えそうです。

[追記]

 早速,京都弁護士会の矢部善朗弁護士がこのエントリーについてのエントリーを監視サイトにアップロードされたようです(日本のお医者様は悲劇のヒーロー・ヒロインということにしておかないと困る人たちがいるのでしょう。)

 データについては,「OECD Health Data 2008 - Frequently Requested Data」を使っています。また,日本よりこの数値が大きい国はないのかとの点についていえば,米国とカナダは日本よりもこの数値が大きいようです。Expperdoc2004

 この数値が大きい場合には,概ね,医師一人あたりにかかるコストが大きいということが言えます。

 また,概算医療費とは,診療報酬の審査支払機関で扱った医療費を集計した数値であり,ほぼ国民医療費と重なる(ただし,労災医療費等が抜け落ちる分,若干小さくなる)ものです。概算医療費は,厚労省が毎年の集計結果を公表しているので,我が国において,どの程度のお金が医療機関に落ちているのかを見る上での重要な数値の一つだと思います。

 [追記2]

 矢部弁護士のブログのコメント欄では,相変わらず曲解に基づく私への批判が渦巻いており,矢部弁護士はこれを黙認する状態が続いていますね。

 もちろん,医療機関が受け取った収入がそのまま医師の所得になるわけではないことくらいは理解しており,そのように受け取られるような記述もこのエントリーにはありません(矢部弁護士の取り巻きの方々の国語力に合わせた文章は書けませんので,一般の読者の読解力に合わせざるを得ませんが。)。ただ,さまざまな経費・人件費がかかるというのは,日本の医療機関に特徴的なことではありませんので,わが国の医療費水準が少ないのかどうかを国際水準と比較して考えるときの指標としては,問題ないように思います。

|

TrackBack

URL TrackBack de cette note:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/13499/42373882

Voici les sites qui parlent de 医師1人あたりの医療費の国際比較は?:

» 「医師1人あたりの医療費の国際比較は?」についてのいくつかの疑問 [モトケンの小倉秀夫ヲッチング]
 la_causette の「医師1人あたりの医療費の国際比較は?」についてのい... [Lire la suite]

Notifié le le 04/09/2008 à 09:58 AM

Commentaires

Poster un commentaire