鳥取県立厚生病院(倉吉市東昭和町)で医療過誤があったとして、鳥取県は二日、北栄町の女性に四千四百九十三万円余りの損害賠償金を支払う方針を固めた。同病院の前田迪郎病院長らが会見を行い、明らかにした。
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医療過誤について謝罪する前田病院長(右から2人目)ら=2日、鳥取県庁
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女性は、二〇〇五年三月二十八日から二十九日にかけて二回にわたり頚部椎間板(けいぶついかんばん)ヘルニアの手術を受け、骨髄浮腫を発症。この合併症により両手足がまひし、後遺障害が残った。現在は、リハビリにより左の腕から手にかけて、食事ができる程度まで回復したが、全快する見込みはないという。
前田院長は「患者に苦しみを与え、家族に心労をかけたことに対し、心よりおわび申し上げる」と謝罪。その上で「原因は特定できないが、後遺障害が手術により生じたことは間違いない」などと、賠償金を支払う理由を説明した。
同病院では手術後、外部の大学教授や医師などで組織する医療安全管理委員会を開き、医療過誤には当たらないとの結論に達した。しかし、患者の症状に回復が見られないことから、〇八年一月に再度院内で協議。一転して医療過誤であったと判断した。その後、患者側と交渉し、損害賠償金を支払うことで和解した。
県は賠償金の支払いについて九月県議会に提案し、議決を得る方針。