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子供部屋の天井裏にクマ 富山、ハチの巣狙う?

2008年9月4日8時21分

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写真民家に侵入したクマ=富山県砺波市庄川町、市提供

 富山県砺波市庄川町落シの吉藤庄治さん(78)方の2階の天井裏に2日夜、体長約1.2メートルのクマが侵入した。クマは天井裏にあったミツバチの巣を狙い、壁に直径約1メートルの穴を開けて入ったらしい。巣があったのは、子ども部屋の真上。クマが吉藤さん方にやってきたのは、この日2度目だった。今春から周辺で何度もクマは目撃されていて、多少は慣れていた住民らも「住宅の中に入ったのは初めて」と驚いている。

 市農業振興課によると、午後11時過ぎに、吉藤さんの家族がクマの物音に気づき、隣家に避難するとともに、市に通報した。市担当者らが駆けつけると、クマは2階の部屋にいて、窓にシルエットが映っていた。約10分後に、地元猟友会メンバーらが見守る中、クマは窓ガラスを破り、屋根伝いにゆっくりと逃げたという。

 クマがいた部屋の天井は大きく垂れ下がっていた。同課の大浦信雄係長らは「家族が避難する前に、天井が破れていたら危険な状態だった」と、胸をなで下ろす。

 クマは、この日午後6時ごろにも、天井裏のハチの巣を狙って入った。家族が見つけて、市に通報。クマは逃げた。調べてみると、クマが食べて3分の1ほどになったハチの巣があった。家族はこのとき、初めてハチの巣があったことに気づいたという。ハチミツと巣は午後9時ごろまでに撤去した。クマは夜になって、「取り残した」ハチミツを目当てに再びやってきたらしい。

 クマは逃げたが、その後、スズメバチの大群もハチミツを狙って、クマが開けた穴から天井裏に押しかけた。市は3日午前中にハチミツを完全に撤去して、穴をふさいだ。

 同課によると、クマの目撃通報による出動は、今年4月から11回目。「クマが一日に2度も同じ民家に現れたのは聞いたことがない」と関係者も驚く。大浦係長は「クマとの間の取り方を覚えている住民も多い。クマも人間に慣れてきているようだ。危険と隣り合わせの微妙な関係だ」と指摘している。

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