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2008年9月4日

 大相撲は部屋制度で成り立っている。親方は弟子の師匠、親代わりであり、力は絶大だった。今そうでもないのは大麻疑惑で揺れる惨状を見れば分かる

疑惑の力士の1人は北の湖理事長の弟子だ。逮捕された若ノ鵬や今回疑われている露鵬も名横綱の大鵬から一字をもらったという。相撲界の大名跡に泥を塗る外国人力士たちにほんろうされる部屋制度と親方の姿が見えて来る

角界に部屋があるように政界、自民党には派閥がある。こちらは「横綱」の突然の引退表明で、跡目争いに各派閥が慌てふためいている。若手もドンドン候補に立てばいいと、親方ならぬ派閥の領袖(りょうしゅう)クラスの声もある。総裁選を代表選の日程にぶつけられた民主党からは「横綱相撲をしろ」とヤジが飛ぶ

いくら人気が高くても角界の横綱は大関からしか昇進できない。が、政界の横綱は小結や前頭からでも名乗りをあげられる雰囲気だ。国の屋台骨を支える「綱」の重さはそんなものかと情けなくなる

角界の親方は無責任。政界もリーダーを育てる力を失ったのかもしれぬ。あとは「木戸銭返せ」の罵声(ばせい)が飛ばないことを祈る。


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