北朝鮮:核施設の原状回復作業に乗り出す…米テレビ報道

 【ワシントン小松健一、ソウル堀山明子】米FOXテレビ(電子版)は2日、複数の米政府当局者の話として、北朝鮮が6カ国協議の合意に違反し寧辺(ニョンビョン)の核施設の原状回復作業に乗り出したと報じた。一方、韓国の聯合ニュースによると、韓国外交通商省当局者は3日、「3日から(回復作業を)始めたと把握している」と述べた。事実とすれば、北朝鮮の非核化プロセスは大きく後退することになりそうだ。

 FOXテレビによると、原状回復の動きについて米国によるテロ支援国家指定解除が遅れていることに対し、「怒り」を表す「象徴的な意思表示」とみられると伝えた。

 一方、6カ国協議筋によると、北朝鮮が米国に「原状回復作業に着手した」と伝えた模様だが、実験用黒鉛減速炉(5000キロワット)の燃料棒再注入など具体的な動きはないという。北朝鮮が米国からテロ支援国家指定解除の譲歩を引き出す戦術とみられる。

 聯合ニュースの報道では、韓国政府は寧辺に滞在中の国際原子力機関(IAEA)要員から報告を受けた米政府を通じ、原状回復の情報を得たという。

毎日新聞 2008年9月3日 18時59分(最終更新 9月4日 1時20分)

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