待っている人だけ待っている、「バカ桃殿と春抱局」第三弾！
納涼企画
このシリーズは、「春抱き」自家発電萌え企画となっていますので、その意味が分からない方は「続きを読む」をクリックされませんように。
「なにこれ？！」という苦情は、ナシで、ﾖﾛｼｸﾈ(ﾟ０ﾟ)(｡_｡)ﾍﾟｺｯ
鬱陶しい。
なにが？
桃殿である。
梅雨も明けたというのに桃殿の頭上には、どんよりと雨雲が立ち込めている。
カビでも生えてきそうだ。
榎田姫と沙野姫がヒソヒソと愚痴を言い合っているところに、アイダ姫が通りかかった。アイダ姫といえば、才色兼備で名高いクールな姫である。
そのアイダ姫なら、なにかいい考えがあるかもしれない。
榎田姫と沙野姫は、アイダ姫を呼び止めました。
「まだ、殿は春抱局がいないことに慣れないのですか？」
「そうなんですよ。いつものバカさに切れがなくて、詰らなのうございますぅ・・・はあ〜」
「・・・バカさに、切れ味って・・・」
アイダ姫は、すがり付く二人の姫を眇めた目で見ました。
「殿はバカだから、殿なんですよ〜」
「そうそう、春抱局がいるときは、殿のご寵愛を独り占めしてズルイと思ったけど、こうなったらいてくださった方がよほど張り合いがありますぅ〜」
「・・・あなた達、殿をからかって遊べないのが、つまらないだけなんじゃ・・・」
「いやん、アイダ姫、なんでそんなに鋭いのですか。流石ですわ」
アイダ姫は、バカさ加減では殿とどっこいの二人の姫達にため息をついたが、二人の言い分に頷けるところもあると思いました。
「そなた達、いいものがあるのですが」
「えっ、なんですかっ？」
アイダ姫は侍女を呼びつけると、箱の中からある四角いものを取り出しました。
それは、ガラスの窓がある、手の平サイズの箱でした。
「アイダ姫、これはなんでごさいましょう？」
「けいたい箱という物です」
「けいたい箱？」
二人の姫がその箱を覗きこむと、ガラスの部分になにか映っているではないか。
「ひええ〜。これはきてれつな！」
「あれえ、ここに見えるのは春抱局ではありませんか！アイダ姫、これはどういうことでございましょう？」
驚きに腰が抜けそうな榎田姫と沙野姫に、アイダ姫は得意そうに微笑みました。
「これは、先日、浜辺で苛められている亀を助けた時に、お礼にと貰った玉手箱の中に入ってたものじゃ。どんなに離れていようとも、会いたい相手のお姿が見えるという、けいたい箱。これを殿に差し上げましょう」
玉手箱は開けてはいけないものなんじゃ・・・と、榎田姫と沙野姫は思いましたが、年齢不詳のアイダ姫の外見はいつも通り。玉手箱の煙はアイダ姫には効かなかったようです。
さて、けいたい箱を献上された桃殿は、大喜び。
けいたい箱の小さな窓に顔をくっつけるようにして、春抱局と話してます。
「元気か？」
「ここは、さすがに静かなとこですね。後は良くなるのを待つだけですよ。殿はお変わりなく？」
「・・・会いたい、生身のそなたに会いたい・・・」
「・・・殿、お気持ちは私も同じです。でも、ここで急いては、何もよくなりませぬ」
榎田姫、沙野姫、アイダ姫は、障子の影から泣き出さんばかりの殿の様子を見て、もらい泣きをしておりましたが・・・。
「のう、よいではないか〜」
鼻の下を伸ばした桃殿が、何かをけいたい箱の中の春抱局に頼んでいたようですが、あっさりと切られたようです。
悄然と、三人の姫の前に戻ってくる桃殿。
「どうなされました？」
三人を代表して、アイダ姫が殿に訊くと・・・。
「いや、チラッとでよいから、もろ肌になって見せてくれぬかと言っただけなのに、局に怒られた・・・」
やっぱり、桃殿はオオバカ殿でした。
三人そろって半眼になってしまった姫たちでした。￣.￣;)(￣｡￣;)(￣-￣;)
ちゃんちゃん
追記：拍手・コメント、ありがとうございますvv
元気付けられます。いい知らせが聞けるまで、頑張りましょうv