北朝鮮:核施設の原状回復作業に乗り出す…米テレビ報道

 【北米総局】米FOXテレビ(電子版)は2日、北朝鮮が6カ国協議の合意に違反し、寧辺(ニョンビョン)の核施設の原状回復作業に乗り出したと報じた。米当局者の話として伝えた。作業の具体的内容は不明だが、事実とすれば、北朝鮮の核廃棄のプロセスが大きく後退することになりそうだ。

 同テレビによると、当局者は原状回復の動きについて、米国によるテロ支援国家指定解除が遅れていることに対し、「怒り」を表す「象徴的な意思表示」とみられると伝えた。当局者はまた、原状回復作業が一定期間続いていると認めたうえ、「北朝鮮はここしばらく威嚇行動を続けている」と述べた。

 北朝鮮は6月に実験用黒鉛減速炉(5000キロワット)の冷却塔を爆破したが、米当局者は「黒鉛原子炉は2~3カ月で再稼働が可能」との見方を示している。

 北朝鮮は8月26日の外務省報道官声明で、核施設の無能力化措置の「即時中断」を発表。「核施設を原状復帰させる措置も考慮する」と主張していた。

 マコーマック米国務省報道官は2日の記者会見で、北朝鮮が提出した核申告を検証する体制が整うまで、核放棄に向けた「次のステップ」には入らないと明言し、テロ支援国家指定解除は検証の手順について合意することが前提条件との認識を示した。

毎日新聞 2008年9月3日 18時59分(最終更新 9月3日 20時03分)

文字サイズ変更
この記事を印刷
印刷

ニュースセレクト アーカイブ一覧

 

おすすめ情報