横浜市立大の謝礼金問題で現金を受け取っていた山本勇夫元教授が、市立脳血管医療センター(磯子区)のセンター長に就任した問題で、患者や家族らでつくる「脳卒中から助かる会」(上野正代表)が2日、この人事に対する中田宏市長あての抗議書を提出した。
抗議書では、センターでは医療事故などで医師不足が続いていることを指摘し「後ろ暗い所のある人物が、センター長として規律とモラルを正し、向上させることができるのか」と抗議。中田市長にセンター長人事に対する考え方を回答するよう求めている。
さらに先月26日の市議会委員会で、山本センター長が「チャレンジが必要」と強調したことについて、「チャレンジは当然だが、医師のモラルがなければ患者は実験台にされてしまう」と疑問を投げかけている。
記者会見した上野代表は「病院の将来を考えると山本氏は適任ではない。もっと広い視野で選んでほしい」と訴えた。【野口由紀】
毎日新聞 2008年9月3日 地方版