県は2日、倉吉市東昭和町の県立厚生病院で05年3月に高齢の女性が首の椎間板ヘルニアの治療を受けた際、両手両足にまひが残る医療過誤があったと発表した。ミスの具体的内容は不明だが、まひの事実を重く見て医療過誤と結論づけた。和解に向け県が慰謝料や治療費などとして約4500万円を支払うことで女性側と合意したという。
女性は手足のしびれを訴え05年3月28日に手術を受けたが、手術後に右の手足がまひしていたため4時間後に再手術を受けた。まひは悪化し、両手足に広がった。
院外の専門家を招いた医療安全管理委員会は「手術に伴う合併症で、医療ミスには当たらない」と判断した。しかし、リハビリを続けても症状が改善されないため07年11月、手術の再調査を始め、医療ミスがあったとの結論を出した。
前田迪郎院長は「具体的な原因は特定できていない。両手足のまひという非常に重い症状になったため医療ミスがあったという結論を出した」と説明。「大変な苦しみと長い後遺症を与えたことを心よりおわび申し上げる」と謝罪した。【遠藤浩二】
毎日新聞 2008年9月3日 地方版