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「森のようちえん」愛知で実践 小林直美氏に聞く

上野数馬2008/09/03
来年実施という「森のようちえん全国フォーラムin愛知」開催準備委員会の中心メンバーで、県内での先駆者の一人「森のたんけんたい」代表 小林直美氏に話を聞いた。
愛知 福祉 NA_テーマ2

 8月30日(土)「あいち海上の森センター」(愛知県瀬戸市吉野町)で「自然と幼児保育」に関わる団体の実践発表&情報交換会『子どもと自然』が開催された。愛知で「森のようちえん」を運営する自主保育グループ「森のたんけんたい」が呼びかけて、子育ての環境として自然環境をよりよく活用するにはどうしたらよいかを学び合おうと開催したもので、幼稚園教諭や保育士、大学生、大学準教授らが熱心に情報を交換しあった。

 来年実施という「森のようちえん全国フォーラムin愛知」開催準備委員会の中心メンバーで、県内での先駆者の一人「森のたんけんたい」代表 小林直美氏に話を聞いた。

「森のようちえん」愛知で実践 小林直美氏に聞く | <center>和やかに歓談する集会参加の皆さん。以下すべて30日筆者撮影。</center>
和やかに歓談する集会参加の皆さん。以下すべて30日筆者撮影。
記者:自主保育で「森が舞台の保育活動」があるとは知りませんでした。大型の乳母車に何人か乗せたり、手をつないだりして「近場の公園などへ遊びに行く幼児の集団」はよくみかけていたのですが……。起源はデンマークで、ドイツで特に盛んなようですね。感性の純粋な幼児期に「五感を使った自然体験」をさせ、豊かな人間性を育てようという環境教育の面から近年、注目されているようですが、この活動に参加されたきっかけは何ですか。

小林氏:出産を機に勤めていた幼稚園をやめ、1992年に、名古屋市天白区で自然のなかで子育てをしている自主保育サークルに出会ったんです。「自然のなかで子どもと一緒に過ごすのってなんて楽しいんだろう」と心から感じたんです。それから春日井市の高蔵寺ニュータウンに家を建てて引っ越して、近所の同じ年頃の子どもを持つお母さんたちと自主保育サークル「高蔵寺おさんぽの会」を始めたのが97年でした。

 その後、現在の体制に一新して、森のようちえん「森のたんけんたい」をスタートさせました。自然のなかで命とふれあい、のびのびと遊びながら仲間と育ちあう自主保育に関わって17年目になります。

「森のようちえん」愛知で実践 小林直美氏に聞く | <center>参加団体の展示パネル。年間スケジュールから毎日のことまで、おおまかな予定は決めてある。</center>
参加団体の展示パネル。年間スケジュールから毎日のことまで、おおまかな予定は決めてある。
記者:「森のたんけんたい」の保育スケジュールやスタッフはどうなっていますか?

小林氏:コースが3つあって、メインが3歳から6歳まで(未就学)の子ども12人が通う「森のようちえん」です。保育日は月曜から金曜の朝9時から13時で、専任保育者(小林)のほかに、保護者が交替で保育当番に入っています。水曜は保護者のみで保育を行いながら畑仕事なども取り入れています。普段も一緒に参加されるお母さんもいて、見守る眼は十分そろっています。

 次が1歳から3歳まで(未就園)の「おさんぽ」クラスで月3回と6回のコースがあります。毎週:火・木・金の9時半から12時半 までで、都合のいい日を選ぶシステムです。専任スタッフ(幼稚園教諭、保育士の経験者)と一緒に森の中を散歩します。必ず親子で参加していただきますが、8月末現在の会員は36組です。

 3つ目が「野遊び」コースで月2回・土日に実施しています。対象が3歳から小学生までの親子連れで、30組ほどの家族が会員です。費用は3コースとも1日1000円で、いずれも所定の方法で保育費を納入してもらっています。

記者:印象としてずいぶん安い気がしますが、専任スタッフの方はボランティアですか?日給や固定給を払うにはかなり大変かなという感じがしますが?

小林氏:無償ではなく、有償ボランティアという形です。ただ長期休暇の時などにまとめて経理の処理をしているので遅れ気味でスタッフには迷惑をかけています。自分ひとりでいろいろな仕事をかかえこんでいるので、これからは分担してもらえるところはお願いしようと思っています。

「森のようちえん」愛知で実践 小林直美氏に聞く | <center>「森のたんけんたい」代表・小林直美氏。きりりとした、意志と信念の人だ!</center>
「森のたんけんたい」代表・小林直美氏。きりりとした、意志と信念の人だ!
記者:お金の問題が頭を悩ますところですね。継続するにはある程度の収入が不可欠でしょうし、経費も含めてきちんとしないと……大変でしょうが。それから園舎がなくて、集まる場所はいつも決まっているのですか?

小林氏:月末に翌月分の「集合場所と内容を記入したカレンダー」をメールで送っています。いつも現地集合です。週1くらいの野外料理のときは近くのキャンプ場や川原などになります。詳しくは「森のたんけんたい」。
  
 また2009年秋に「第5回森のようちえん全国交流フォーラム」を愛知県で開催しようとこの夏から準備をすすめているところです。子どもたちが友達といっしょに、日常的に自然を身近に楽しめるような環境がどんどんひろがっていくよう、地道に活動を続けていきたいと思います。

記者:せっかくの休憩時間に、詳しい説明をありがとうございました。

 幼児教育には様々な形態があっていいと思う。自己犠牲をいとわない主婦らの熱意で様々な困難を乗り越えて「森のようちえん」は実践されている。ただ都会でもすぐ近くに広大な森があり気候が冷涼な北欧や東欧と違い、身近な自然が開発されつくした日本ではわずかに里山が残された都市周辺など活動地域が極端に限定されてしまうのが現状だろう。

 しかし最近10代、20代の青少年が引き起こした悲惨な事件などを思うと「幼児期のこころの感性を磨く」自然体験をメインにする幼児教育は冒険的ながらかなり素敵で「これから子育てを始める皆さん」にとって有力な選択肢の一つとなるのではなかろうか?

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[36698] 自然との触れ合い
名前:村上久三郎
日時:2008/09/03 12:47
幼稚園関係各位へ

@「自然との触れ合い」は最高です。私は人里離れた山の中で育ちましたので、体験から意見を申し上げます。できれば、小学生にもやって欲しいです。小学生の時から「机の世界」で学んでいますと、「読書による知識」は入りますが、大切なのは「体験に基づく知識」です。
A幼稚園・小学生の頃、野辺へ行って花を摘み、男の子と女の子が、頭に花を差し合って下さい。そうした体験から「女の子には触れてはいけないところがある」ことが自然と身につくと思います。
これを知らないと、大人になって思わぬ「事件」を起こすことがあるでしょう。
B山に入ったら、マムシとハチに気をつけて下さい。
子供に万一のことが起こりますと、モンスターペアレントなど、最近の父兄は厳しいので、先生が「がんがん」叩かれます。損害賠償の話も出て来るでしょう。これでは、せっかくの「森の探検」がダメになる可能性があります。私はこれを最も心配しています。できれば「教育を目的とした教育」ではなく、「教育を目的としない教育」が望ましいのですが、中々、難しい時勢ですね。
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