身分や職業による区別の撤廃を定めた明治初期の「解放令」発布から5万日となる3日、部落差別の実態と解消を考える集会が奈良県橿原市で開かれた。
主催した部落解放同盟奈良県連の川口正志委員長は「当時、われわれの先輩たちはとても喜んだはず。しかしそれを快く思わなかった人たちの嫌がらせからか、『解放令の発布は5万日の日延べになった』という話が流布した」とあいさつ。
続いて辻本正教書記長が奈良県を発祥の地とする全国水平社など部落差別解消に向けた運動の歴史を紹介。「インターネット上の差別的な書き込みや、調査会社による身元調査など部落差別はなくなっていない」と訴えた。
解放令は1871年に発布されたが、反対する農民の一揆が頻発した。