札幌市の開業医の診断で聴覚障害の身体障害者手帳が不正取得されたとみられる問題で、北海道と札幌市は3日、虚偽診断書作成容疑で前田医師(73)=札幌市=を道警に告発、道警は申請手続きにかかわった札幌市の社会保険労務士(67)の自宅など関係先数カ所の家宅捜索を始めた。
道警は午後にも前田医師の診療所などを家宅捜索する方針。
これまでの調べでは、前田医師は実際より患者の障害程度を重く診断し、虚偽の記載をした診断書を作成した疑いが持たれている。
道警は7月以降、前田医師の診断で2001年以降に手帳を取得した約600人から任意で事情を聴いており、これまでに約半数の聴取を終えた。
昨年の問題発覚後、道や札幌市が手帳を取得した聴覚障害者の調査を始めたところ「薬を飲んで治った」「症状が改善した」などとして、取得者から手帳の自主返還が相次いでいた。〔共同〕(14:01)