1日の記者会見で質問に答える福田首相=1日午後9時48分、首相官邸、河合博司撮影
福田首相は1日夜の辞任会見で「会見がひとごとのようだ」と記者から指摘され、「私は自分のことは客観的に見ることができるんです。あなたとは違うんです」と気色ばんだ。この発言を巡る是非は、インターネットでも沸騰。掲示板では関連スレッド(書き込み群)が乱立し、ブログでも無数に取り上げられた。早くも「今年の流行語大賞に」と“期待”する声もある。
ネット掲示板「2ちゃんねる」では記者会見の直後から書き込みが広まり、首相が発言する様子のアスキーアート(文字と記号で描かれた絵)も登場した。検索サイトのグーグルで「あなたとは違う」「福田首相」で検索すると、3日正午現在で6万3800件ヒット。ネット利用者で情報を共有して辞書として使われるサイト「はてなキーワード」にも登録された。
2日からはブログでの書き込みも目立ち始めた。選挙運動の舞台裏を追ったドキュメンタリー映画「選挙」の主人公となった元川崎市議の山内和彦さんもブログで取り上げた。「このやり取りは、すごいなと思ったら、やはり、多くの人がそう感じたようで、ネット上でも盛り上がってるらしい。今年の流行語大賞に、『あなたとは違うんです』は最有力候補です。日頃、腰の低い僕も、たまには、このくらい横柄な態度を取ってみたいものです」。山内さんは朝日新聞の取材に「まさか辞めるとは思わなかった。記者の質問にカチンと来て、思わず本音が漏れてしまったのでしょう」と話した。
ほかの人のブログでは「客観的に見ることができるのに、こんな時に辞任ですかぁ…」と皮肉も。「最後になってようやく官房長官時代のキレを取り戻しましたね。自身の辞任会見で逆ギレするのはどうかと思いますが」と疑問を投げかける内容もあった。
一方、擁護派も。投資関係者が開設したブログには「政(まつりごと)をする人間というのは、これくらいの自信がなければやっていけないでしょうね」。さらに「投資も全く同じ。他人になんと言われようと、『私はあなたとは違う』と言い切れるくらいでないと」と指摘した。(八木正則)