「第2の通貨危機は到来しない」(上)
アジア通貨危機当時の官僚に聞く
「経済構造と体質が変わったため、約10年前のような通貨危機の再来はない」(金仁浩〈キム・インホ〉元大統領府経済首席秘書)
「韓国経済が困難な状況なのは事実だが、世界的な景気後退に伴うものであり、韓国だけに特別問題があるわけではない」(崔然宗〈チェ・ヨンジョン〉元韓国銀行副総裁)
「9月金融危機説」でウォン相場と株価が急落し、金融市場が動揺する中、1997年のアジア通貨危機を現場で経験した当時の政策担当者は「第2の通貨危機」と呼べるような大規模な経済危機は到来しないと口をそろえた。世界経済の動向や外貨準備高、対外債務の構造のどれを取っても当時と今とでは大きな違いがあるからだ。
しかし、彼らは世界的な景気低迷の影響で韓国経済も内需低迷、投資伸び悩み、雇用不足という困難な状況にあることを認めた。そして、政府の政策運営が対外的な信頼を失わないようにすることが何よりも重要だと注文を付けた。
◆通貨危機と現在の状況の相違点
通貨危機当時に金融、為替の最前線にいた政策担当者は「9月危機説」について、根拠のないうわさにすぎないと指摘した。わずか1日で100億ドル(現在のレートで約1兆900億円、以下同じ)の資金が流出した通貨危機当時と現在では、経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)自体が異なり、為替を取り巻く構造が揺らいだとは見なしにくいからだ。
通貨危機当時に韓国銀行副総裁を務めた崔然宗氏は「通貨危機直前の1997年11月に為替当局が使える外貨準備は50億ドル(約5450億円)しかなく、ドル需要が増えれば半日も持たない状況だった」と振り返った。しかし、現在は外貨準備高が2400億ドル(約26兆円)に達し、対外債務も償還に大きな困難はないほど状況は良好だと評価した。
金錫東(キム・ソクトン)元財政経済部次官(通貨危機当時の財政経済院外貨資金課長)は「通貨危機を経験し、韓国の企業と金融機関の財務健全性、外国人投資、外貨準備高などは驚くべきほど改善した。現在は世界的経済危機に対して他国よりもはるかに強い」と分析した。
金起勲(キム・ギフン)記者
全洙竜(チョン・スヨン)記者
クム・ウォンソプ記者
- 「第2の通貨危機は到来しない」(下) 2008/09/03 09:38:10
- 韓国政府が後手の対応、市場混乱に拍車(上) 2008/09/03 10:00:23
- 韓国政府が後手の対応、市場混乱に拍車(下) 2008/09/03 10:00:26
- 【社説】金融市場の安定が急務 2008/09/03 10:05:11
- 試乗記:インフィニティFX50
2008/09/03 12:00:35
- 秋夕控え中小企業の資金不足が深刻化(下)
2008/09/03 10:53:19
- 秋夕控え中小企業の資金不足が深刻化(中)
2008/09/03 10:52:51
- 秋夕控え中小企業の資金不足が深刻化(上)
2008/09/03 10:52:49
- 現代自、作業時間短縮も賃金は据え置きへ 2008/09/03 10:25:27
- 韓国政府が後手の対応、市場混乱に拍車(下) 2008/09/03 10:00:26
- 韓国政府が後手の対応、市場混乱に拍車(上)
2008/09/03 10:00:23
- 「第2の通貨危機は到来しない」(下)
2008/09/03 09:38:10
- 「第2の通貨危機は到来しない」(上)
2008/09/03 09:38:07
- 金融委、ローンスターに対し株式売却命令を検討中 2008/09/03 08:18:00