糸魚川産のササユリの種が、11月に打ち上げられるスペースシャトルで、国際宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」に運ばれることになった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が「きぼう」を使った事業を公募し、民間会社「有人宇宙システム」(東京)が提案した日本各地の植物の種などを運ぶ企画が採用された。ササユリの種は、糸魚川市でササユリの増殖に取り組んでいる谷村環境緑花研究所が提供する。有人宇宙システムの担当者の知り合いが同研究所にいたことから、提供を依頼した。
今月8日に同研究所から有人宇宙システムに約20グラムの種が引き渡される。スペースシャトルの打ち上げは11月10日の予定で、種は来年5月まで無重力状態で保管される。
その後、宇宙飛行士の若田光一さんが種を持ち帰り、一部は研究対象として利用され、残りは糸魚川市に返還される。市は学校の授業の教材や地域のイベントなどでの活用を検討している。【新井敦】
毎日新聞 2008年9月2日 地方版