福田康夫首相の辞任劇から一夜明けた2日、茨城県政界では早くも次期衆院選を見据えた動きが活発化してきた。「ポスト福田」を選ぶ自民党総裁選に麻生太郎幹事長が名乗りを上げたことを受け、長年の朋友関係にある山口武平県連会長は同日、「(次期総裁は麻生氏と)分かり切っている」とさっそく支持を表明。党県連は過去2回の総裁選でいずれも麻生氏に投票しており、低迷する政党支持率回復の切り札と目される麻生氏との連携を強めながら、衆院選に臨みたい考えだ。
(中村昌史)
「明日の新聞はにぎやかになる」
福田首相が退陣表明する直前の1日夜、山口氏は東京都内の料亭で麻生氏と会い、こうほのめかされたという。県連幹部は「(首相退陣は)われわれは想定外だったが、2人は阿吽(あうん)の呼吸。以心伝心だろう」と話し、麻生氏と山口氏の蜜月ぶりを強調した。
山口氏は、「(過去の総裁選で)麻生氏を支持してきた。あっちに行ったり、こっちに行ったりはできない」と強調。中央政界での麻生氏の動きと歩調を合わせるかのように、県内で「麻生新総裁」への動きを加速化させている。
県連内では、麻生氏が新首相になれば、選挙戦で党本部からさまざまなバックアップが得られるとみて、麻生氏への待望論が大勢だ。
一方の民主党県連。福田首相の退陣によって、解散・総選挙の時期が早まる可能性もあるとみて、態勢づくりを急ぐ考えだ。週内にも県選出国会議員を交えて、幹部らが情勢分析を行う。
同党の立候補予定者は「自民党が福田首相のまま解散・総選挙を行ってくれたほうがよかったが、麻生氏が首相になっても、いずれ経済対策などで有権者の批判を浴びるのでは。民主党にとっては久々に楽しみな選挙だ」と自信を見せる。
共産党県委員会の田谷武夫委員長は「2代続けて首相が辞任。国民の暮らしが追い込まれるなかでの無責任な投げ出しで、自公政治の行き詰まりそのもの」と強く批判した。
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