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2008年9月3日

 総裁選出馬を問われた有力閣僚の、おとぼけの弁が目を引く。「万物は流転することもある」(谷垣国交相)「首相同様に腹黒くないから、人気は出ないだろう」(高村外相)と、出るのか出ないのか、なぞかけである

政権投げ出しが相次ぐと、危機感は薄れていくのだろうか。もっとも、この国では久しく短命内閣が続いていた。竹下元首相は「歌手1年、総理2年の使い捨て」のセリフを残した。珍しく安定政権を維持した小泉元首相も、辞めた後「国会議員も総理も使い捨て」と、たんかを切った

また首相の量産時代に戻るのだろうか。カメラにコンタクトレンズ、ライターと、「使い捨て」商品があふれている。宰相の座は、そんな品々とは比べようもないはずだが、残念ながら現実はそんな印象が否めない

やっと決まった臨時国会召集を後回しにし、総理・総裁のいす取りが始まる。政治に期待する声に、またもやの肩透かし

「おわら風の盆」は、きょう最高潮を迎える。「お前来るかと待たせておいて、どこへそれたかオワラ夏の雨」。恋の風情とは縁遠い、無情な雨が心に降りかかる。


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