議定書と言えば地球温暖化を防ぐため先進各国に温室効果ガスの削減義務を定めた京都議定書が知られる。ほかに「ヒロシマ・ナガサキ議定書」もある。
二〇二〇年までの核兵器の廃絶に向け、各国に具体的な取り組みを提示している。世界の二千三百を超える都市が加盟する「平和市長会議」が、今年四月に発表した。会長は、広島市の秋葉忠利市長が務める。
広島原爆の日の八月六日、市長は平和宣言の中で、あらためてヒロシマ・ナガサキ議定書を説明した。議定書は、核保有国による核兵器取得・配備の即時停止、核兵器の取得・使用につながる行為を禁止する条約の一五年までの締結などを目標にする。
議定書採択を目指し、唯一の被爆国である日本の政府が各国政府に働き掛けるよう求めるとともに、国際世論の盛り上がりにも期待を込める。対人地雷やクラスター弾の禁止条約が非人道的な兵器をなくしたいという世界の人々の願いによって実現した。核兵器廃絶も決して夢ではない。
きょう、広島市で第七回主要八カ国(G8)下院議長会議(議長サミット)が開かれる。日本での開催は初めてだ。ペロシ米下院議長らが「平和と軍縮」をテーマに核問題などを話し合う。
被爆地広島に世界の目が集まろう。核廃絶への機運を一気に高めたい。