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関東大震災時の朝鮮人虐殺について語るパネリストたち |
関東大震災(1923年9月1日)の時「デマ」によって約6千人の朝鮮人や中国人らが虐殺されたとされる事件を考える「2008在日朝鮮人歴史・人権週間全国集会(埼玉)―関東大震災時の朝鮮人大虐殺事件85周年を迎えて」(実行委主催)が30日、さいたま市大宮区の大宮ソニックシティー国際会議室で開かれた。参加した研究者らは、国や国民のあり方について意見を交わした。
パネルディスカッションでは埼玉県強制連行調査団団長の石田貞さん、立教大学名誉教授の山田昭次さん、弁護士の梓沢和幸さん、東京造形大学教授の前田朗さんがパネリストを務めた。
石田さんは県内でも起きた虐殺について「自警団及び群集」が行ったのが特徴だと説明。現時点でほぼ判明している県内の虐殺の数や最近の調査を紹介した。石田さんは「虐殺に走ってしまった民衆の意識をもっと問う作業をしなければならない」「国の責任を追及するためには民衆のあり方の問い直しも非常に重要」と述べた。
山田さんは虐殺に関する自警団の裁判の記録で朝鮮人に対する事件の刑が軽いことや、当時の政府の対応を紹介。梓沢さんは2003年に日本弁護士連合会がこの問題について国に調査を求める勧告を出したことや、旧日本軍による虐殺の件数などを報告した。前田氏は関東大震災での虐殺をアルメニアやナチスドイツの虐殺事件と並べ年表にして紹介。ジェノサイド(集団虐殺)の国際的定義や、日本が人種差別撤廃に関する条約を批准しているのに法律がないことについても指摘した。
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