特殊なパソコンソフトでキーを複製しトヨタ車ばかりを盗んだとして、神奈川県警捜査3課などは2日、横浜市中区尾上町3の中古車販売業、篠田伸之被告(38)=窃盗罪で公判中=ら3人を窃盗容疑、車の輸出に必要な書類を偽造した神奈川県小田原市東町1の自称文書作成代行請負業、小野一浩容疑者(41)ら2人を偽造有印私文書行使容疑などで逮捕したと発表した。被害は1都5県で約300台、5億円近くに上るとみられる。
調べでは、篠田被告は07年12月、同僚と共謀、同県厚木市の駐車場で、トヨタの「ハリアー」(時価約150万円)を盗んだ疑い。
篠田被告らは、エンジンキー差し込み口付近の5ケタの数字を打ち込むと、キーの形状が画面に表示されるトヨタ車専用のキー作製ソフトをブローカーの男から入手。持ち運び可能な金属加工具で、画面に従い1本当たり30分程度で合鍵を作っていた。小野容疑者は「約1000台分を偽造した」と供述している。
同課は、ブローカーの男や、男に指示を出したとされるパキスタン人の男が、複数の窃盗団を配下に置いていたとみて捜査している。【池田知広】
毎日新聞 2008年9月2日 21時23分