■「小池氏出馬するのでは」
慶応大学教授で政治学者の草野厚氏の話 「福田康夫首相はプライドの人。臨時国会でじり貧になっての退陣は頭の中になかった。この突然の辞任は国際的に見てもマイナス。1年ごとに政権を放り投げる国は海外からのさらなる日本売りにつながる。一方で、誰が総裁になっても国会のねじれは解消されず、政権は引き続き不安定だ。次は麻生太郎氏だと一般的に言われていて、自分もそうなると思う。麻生氏は公明党と接近しているので、誰が対抗馬になっても公明票が欲しい議員が支持するのではないか。ほかに手を挙げそうなのは、推薦人が集まれば小池百合子氏。中川秀直氏が推すだろうし、彼女は勇気があるので出馬するのでは。小池、石原伸晃氏などの名前が出ているのは、自民党が民主党に打撃を与えるためには具体的な政策より、福田首相の暗い印象を払拭(ふっしょく)できるイメージが必要だからだ」
■国益重視の麻生氏最適
作曲家のすぎやまこういち氏の話 「福田康夫首相の退陣表明は中国や韓国から惜しまれた。ギョーザ事件では中国内で同じ事件があったのに、中国の要請通り発表を控えるほどの『媚中派』だったからだ。尖閣諸島や竹島問題など国家間のせめぎ合いがある。次期首相は中韓に嫌がられても国益を優先する保守政治家を望む。在野では平沼赳夫元経産相が良いが、自民党では麻生太郎幹事長だ。麻生氏は前回総裁選で有力候補だったが、信念がなく自民党に都合がよい福田首相に落ち着いた。麻生氏は『失われた1年』を取り戻し、安倍晋三前首相がやりかけた周辺事態法、安保問題、教育改革などの懸案を進めてほしい。党内外で抵抗が予想され、紆余(うよ)曲折もあるだろう。自民、民主両党ともに『民主主義者』と『全体主義者』が交じっている。混乱回避のために政界再編を期待する」
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