現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 社会
  4. 裁判
  5. 記事

西山元記者の敗訴確定 沖縄密約の存在を判断せぬまま

2008年9月2日19時19分

印刷

ソーシャルブックマーク このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 沖縄返還交渉をめぐる日米間の「密約」を報じ、国家公務員法違反罪で有罪が確定した元毎日新聞記者の西山太吉さん(76)が「不当な起訴などで名誉を傷つけられた」として、国に謝罪と損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第三小法廷(藤田宙靖裁判長)は2日、西山さんの上告を退ける決定をした。請求を棄却した一、二審判決が確定した。

 西山さんは訴訟を通じて、密約の存在を証明しようとしたが、一、二審はいずれも不法行為から20年間が過ぎれば損害賠償請求の権利が消滅する「除斥期間」を適用し、訴えを棄却した。

 第三小法廷も「事実誤認や単なる法令違反の主張で、適法な上告理由に該当しない」としただけで、密約の存在についての判断はないまま、裁判が終わった。

 西山さんの話 行政と司法はこの問題に関する限り一体化している。密約は米公文書で明らかになり、当時の交渉責任者の吉野文六・元外務省アメリカ局長が語った。それでも政府がうそをつくのは政治犯罪だ。それを司法が擁護するのは自らの権威を壊すことだ。日米同盟が重要ならば、実相を国民に知らせ、理解と協力を得なければならない。

PR情報
検索フォーム
キーワード:


朝日新聞購読のご案内