弘前大学(遠藤正彦学長)が地域の救急医療体制の充実などに向けて昨年度から文部科学省に求めてきた高度救命救急センターの設置が、09年度新規事業として初めて同省の概算要求に盛り込まれたことが1日、分かった。弘前大学への設置が認められれば、県内唯一の三次救急医療施設となり、緊急被ばく医療体制の充実、広域救急患者搬送と災害時拠点病院機能の充実などの効果が期待される。
弘大によると、概算要求には同センターの建物本体のほか、搬送される重篤患者の診察や、治療に必要な高度救命救急基盤などのシステム整備が盛り込まれた。
ただ施設費の9割、設備費の5割を実質的に借金となる財政投融資でまかなうため、同大側は「県はじめ市などの財政支援は不可欠」としている。
同センターは面積2420平方メートルで地上二階、地下一階で、教員、医師、看護師、事務職員など人員50人規模となる予定。2010年7月のオープンを目指す。
遠藤学長は「各関係機関の協力、支援に感謝し、今後も支援要請などを積極的に行って、早期設置を目指したい」とし、小川清四郎理事は「財政状況は厳しく、センターの設置、運営には県や市町村と強い連携が必要となる」と話した。
そのほか、今回の概算要求には、医学部医学科定員10人増員も盛り込まれた。これによって定員は、3年次編入学と合わせると120人となり、これまでの最大定員と同人数になる。