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伊豆ダッチワイフ殺人事件…仰天の捜査の顛末とは

ビニールで包まれ

 静岡県伊豆市の静かな別荘地が前代未聞の珍事件に見舞われた。県警が女性の死体遺棄事件を発表し、本格捜査を始めた後になって遺体はダッチワイフだったと判明したのだ。仰天の捜査の顛末を追った。

 1日午前10時20分ごろ、日ごろは事件の扱いもさほど多くない大仁署のしじまを1本の通報が破った。犬の散歩をしていた女性(59)が市道から約5メートル下の林の中に人の形をしたビニール包みを発見。夫(57)が「ビニールシートに包まれた遺体がある」と通報したのだ。

 同署は鑑識など捜査員約15人を現場に急行させた。

 “遺体”は身長約170センチで頭と胴、足首の3カ所が緑のビニールの上からひもで縛られていた。髪だけが見え、触ると弾力があり、署は「女性」と判断。署での検視を決め、非常線を張り現場保存に入った。

 重大事件に本部でも“殺し”の捜査1課が動き、聞き込みなどの要員約30人を現場に向かわせた。「防災の日」とあって本部に詰めていた記者が異変をキャッチ。記者の問い合わせを受け、署は「死体遺棄事件」を報道発表し、地元紙は夕刊に「伊豆の山林に遺体」と現場写真付きで報じた。

 慎重に“遺体”を署に運び、検視に取りかかったのが午後2時半ごろ。ビニールを開いたとたん一気に緊張が解けた。被害者の身元は精巧なダッチワイフと即座に判明。ビニールもよくよく見ればダッチワイフ専用の袋だった。

 署幹部は「においがしないことが不自然だったが、殺人事件とあって軽々にビニールを開けなかった。あまりにリアル過ぎた」と恐縮しきり。人形には“暴行”の跡もはっきり残っており、署は遺棄の動機を、さんざん使った揚げ句、「恥ずかしくて山に捨てた身勝手な犯行」とみている。

ZAKZAK 2008/09/02

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