民主代表選:小沢氏、出馬を正式表明…無投票3選へ

代表選の出馬を表明する民主党の小沢一郎代表=党本部で2008年9月1日午前11時21分、塩入正夫撮影
代表選の出馬を表明する民主党の小沢一郎代表=党本部で2008年9月1日午前11時21分、塩入正夫撮影

 民主党の小沢一郎代表は1日記者会見し、党代表選(8日告示、21日投開票)への立候補を正式に表明した。同日の候補者事前説明会には小沢氏と河村たかし衆院議員の2陣営が出席したが、河村氏は立候補に必要な国会議員20人の推薦人確保が難しく、小沢氏の無投票3選が確実な情勢だ。今後小沢氏は新たな党役員人事を通じた挙党態勢作りに乗り出す。鳩山由紀夫幹事長ら主要幹部は続投の方向だが、政調会長人事が焦点となりそうだ。

 「(菅直人、輿石東両代表)代行、(鳩山)幹事長にすべてお任せした」。小沢氏は1日午前、党本部での記者会見で推薦人集めに関してこう述べ、新体制でも3氏を党運営の中心に据える考えを示唆した。党幹部も「現体制はうまくいっており、衆院選を間近に控えて大きく変える必要はない」との見方を示している。山岡賢次国対委員長も日銀総裁人事やガソリン税などの政局を乗り切ったとして、留任論が強い。

 焦点は政調会長人事だ。「非小沢」系議員からも「ポスト小沢」との期待が寄せられる岡田克也副代表の起用を、挙党態勢構築の観点から期待する声がある。「政調会長として露出が増えれば党のイメージアップにつながる」(中堅)との指摘もある。ただ、岡田氏は消費税増税の時期について「早く議論を始めるべきだ」と公言しており、増税論議を忌避する小沢氏との違いは明確。次期衆院選マニフェスト策定の責任者としての起用が実現するかどうかは微妙だ。

 また、衆院の解散・総選挙に向けた動きも一層加速しそうな勢いだ。小沢氏は1日の会見で、9月中に予定している次期衆院選の第1次公認候補発表について「5、6月から継続してきた仕事なので早めた方がいいか、もう少し判断をしたい」と発言。これまでの「代表選(21日)以降」との発言を軌道修正し、前倒しの可能性を示唆した。選挙態勢を整えるには公認発表は早いほどよく、関係者は「告示日の8日に無投票が決まれば、すぐに指示がある可能性もある」とみている。【田中成之】

毎日新聞 2008年9月1日 11時39分(最終更新 9月1日 19時44分)

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