きょうは「防災の日」。周知のように一九二三(大正十二)年のこの日、関東大震災が起き、死者・行方不明者は約十四万人に及んだ。
大惨事から八十五年がたつ。阪神大震災からも十三年。中国の大地震や、最近、東北地方で相次いだ地震も地理的には岡山県から離れている。身につまされなければ、大地震に対してどうも切迫感が薄れがちだ。
危機管理アドバイザー和田隆昌さんは著書「大地震 死ぬ場所・生きる場所」で、実践的な備えを説く。例えば出かける間際に大地震がきたら。玄関は家具が少なく家の中では比較的安全な場所だそうだ。まず靴を履き、次の行動を考えよ。
事務机などの下は逃げ込めるよう常に片付けておけ。地震時には危険と思われがちなガソリンスタンドは実際は耐震性が考慮されており、想像以上に安全だ。近くにあればすぐ逃げ込め。
個々の知識を解説しながら、和田さんは一番必要なのは想像力だと訴える。もし自分が今いる場所で地震に遭えばどんなダメージを受けるか。折に触れて想像してみることが大事で、イメージできるか否かで生死が分かれることもある、と。
二〇〇〇年の鳥取県西部地震、翌年の芸予地震からもだいぶたつ。私たち瀬戸内地域の住民は、特に想像力が求められるのではあるまいか。