京都大学の柴田一成教授と宇宙航空研究開発機構のグループは1日、太陽表面の「フレア」と呼ぶ大規模な爆発現象に伴って発生した3つの衝撃波が連続して表面を伝わる様子をとらえることに成功したと発表した。人工衛星の航行や電波障害に影響するフレアの解明に役立つという。同日付の米専門誌アストロフィジカル・ジャーナルの速報版に掲載された。
2005年8月に発生したフレアの観測データを解析。黒点付近で、磁場に閉じ込められていた水素プラズマ(電離ガス)の放出による爆発がほぼ10分間に3回発生、地震波のような衝撃波が太陽表面に広がっていった。1回目と2回目に発生した衝撃波が合体し、より大きな衝撃波に成長していた。
フレアは衝撃波が人工衛星を壊したり、磁気嵐を併発して通信障害や停電を引き起こしたりする。今回の観測で、衝撃波がこれまで考えられていたよりも頻繁に発生していることが分かった。柴田教授は「詳しい発生メカニズムを解明する手がかりになる」と話している。(01:12)