野党各党は1日夜、福田康夫首相の辞任表明について「(安倍晋三前首相から)二代続けて政権放り出しだ」(菅直人民主党代表代行)などと厳しく批判した。その上で、民主党などは、早期の衆院解散・総選挙を次期首相に求めていく方針を示した。
民主党の鳩山由紀夫幹事長は、党本部で記者団を前に「(安倍前首相に続き)1年間に2度も政権を投げ出したのは信じられない。あまりにも国会軽視、国民無視の手法に強い憤りを禁じえない」と非難。「直ちに(衆院)解散・総選挙を行うべきだ」と強調した。
同党の菅直人代表代行も都内で「自公政権が国民に責任を持てないことを証明した」と述べ、渡部恒三最高顧問も「政策(総合経済対策)を決めたからこれで辞めますというのは無責任極まりない」と語った。党内からは「本当は支持率が低迷する福田首相を相手に選挙をしたかった」(幹部)との声が漏れた。
共産党の志位和夫委員長は記者会見で「2人続けて臨時国会の直前に政権を投げ出すのは、自公政治が政治的な解体状況にあることを示す」と指摘。さらに「国政の基本問題について論議し、争点をはっきりさせた上で(国民の)審判をあおぐべきだ」と主張した。
社民党の福島瑞穂党首は「選挙のために福田首相を辞めさせる自民党も、投げ出す首相も国民のことをまったく考えていない。国民投げ捨て内閣だ」と記者団に語った。国民新党の亀井久興幹事長は「自公政権が政権担当能力を失ったことの表れだ。国民の信を問わないと安定した政権はできない」と指摘した。
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