芸能

　９月の東京では、歌舞伎座、新橋演舞場という大劇場以外に中規模の三越劇場、赤坂ＡＣＴシアターでも歌舞伎公演が行われる。【小玉祥子】

　◇中村橋之助、片岡孝太郎ら「ぢいさんばあさん」など－－三越劇場

　三越歌舞伎は２日から１９日まで。中村橋之助と片岡孝太郎による「ぢいさんばあさん」（森鴎外原作、宇野信夫作・演出）、舞踊の「手習子」（孝太郎）と「俄獅子（にわかじし）」（橋之助、中村国生、中村宗生）が上演される。

　「ぢいさん～」は仲の良い夫婦の心ならざる別れと、年老いてからの再会を描いた心温まる作品。伊織を橋之助、その妻るんを孝太郎が演じる。

　橋之助は「いい物語です。世の中は嫌なことばかり。大切なのは、ここで描かれるような家族のきずな、心のつながりではないでしょうか。『俄獅子』は長男と次男の息子２人と踊らせていただきます」。

　孝太郎は「小さいころから弟のようにかわいがっていただいた橋之助のお兄さんと心温まる夫婦を作りたい」と話している。

　問い合わせは０１２０・０３・９３５４へ。

　◇中村勘三郎を中心に「狐狸狐狸ばなし」など－－赤坂ＡＣＴシアター

　赤坂大歌舞伎は３日から２０日まで。中村勘三郎が中心となって「狐狸狐狸（こりこり）ばなし」（北條秀司作・演出、奈河彰輔演出）と「棒しばり」を上演する。

　「狐狸狐狸～」は、元女形の手ぬぐい屋の伊之助（勘三郎）と浮気者の女房おきわ（中村扇雀）のだましだまされの人間喜劇。おきわの恋人で悪僧の重善を、市川段治郎が演じる。片岡亀蔵、坂東弥十郎らの共演。「棒しばり」は中村勘太郎、中村七之助、亀蔵。

　勘三郎は「まだ歌舞伎を敷居が高いものと思っている方が多い。今回の演目は気軽に見ていただけます」。

　問い合わせは０３・５５６５・６０００へ。