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アフガン拉致殺害:志を引き継ぐ…伊藤さんお別れ会

伊藤和也さんのお別れ会に訪れた大勢の参列者=静岡県掛川市で2008年9月1日午前9時43分、石井諭撮影
伊藤和也さんのお別れ会に訪れた大勢の参列者=静岡県掛川市で2008年9月1日午前9時43分、石井諭撮影

 アフガニスタンで拉致・殺害された非政府組織(NGO)「ペシャワール会」(福岡市)スタッフ、伊藤和也さん(31)の「お別れ会」が1日、実家のある静岡県掛川市内の葬儀場であり、参列者約700人が伊藤さんの志を引き継いでいくことを誓った。伊藤さんの遺志通り、火葬後の骨の一部は伊藤さんが農業指導していたブディアライ村の畑近くに埋められ、村には小さな碑も建てられる。

 葬儀では、同会の後藤哲也会長(68)らNGO関係者や妹(30)、弟(27)が弔辞を読み上げた。喪主の父正之さん(60)は、司会代読の形で「アフガンを憎んではいない。和也は(好きだった)アフガンの星になった」とあいさつした。母順子さん(55)はコミック本やたばこなどが置かれた棺(ひつぎ)を出棺する際、大きな泣き声を上げた。

 葬儀後、両親は会見し、正之さんは「『また元気で帰って来い』と声を掛けてやりました」と話した。順子さんは「生まれてから怒ってばかりいた気がする。最後に『立派だった』とほめてやりたかったのに、私より先に死んで(出棺時に)『ばかやろう』としかった」と思いを語った。

 葬儀にはアフガニスタン大使館から職員が弔問に訪れ、アフガンからも数多くの弔電が寄せられた。同会は近く伊藤さんが働いていた村でも数千人規模の葬儀をする予定。【稲生陽】

毎日新聞 2008年9月1日 12時02分(最終更新 9月1日 19時50分)

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