○「ひいき、多くの人が困る」＝教頭免職の小学校で始業式−汚職事件の大分

　大分県教育委員会の教員採用・昇任試験をめぐる汚職事件で、矢野かおる被告（５１）＝贈賄罪で起訴＝が教頭を務めていた佐伯市立重岡小学校（山城豊校長、児童数７０人）で１日午前、始業式が行われた。矢野被告の懲戒免職により空席だった教頭職には、奥田悦生教諭（５２）が着任した。

　山城校長によると、始業式で校長は児童に「教頭先生が代わりました。お話ししないといけないことがあります」と切り出した。「競争することがあります。その時、『私をひいきして』と（お願い）すると、今まで真剣に頑張っていた他の多くの人が非常に困ることになります」と指摘。「前の教頭先生は自分の娘のために、そういうことをお願いしました」と説明した。その上で「自分の悪いことの引き換えに、（矢野被告は）非常に大きなものを失いました」とし、「間違いをしない人間はいません。どのように挽回（ばんかい）するかが一番大切です」と強調。「先生たちも頑張るので、皆さんも頑張りましょう」と締めくくった。児童たちは集中した様子で聞いていたという。