例えば、04年の新潟県中越地震では、震源から約200キロ離れた東京都港区は震度3だったが、六本木ヒルズ森タワーの鉄製ワイヤが切れていた。また、高層のビルやマンションでは、「ドシン」という突き上げる激しい揺れはないものの、長周期振動による、ゆっくりとした揺れが続き、家具の転倒やエレベーターの閉じ込め事故などが起きることがある。研究機関の実験では、高層階ほど揺れが激しく、キャスター付きのコピー機などが動き回り「凶器」となりかねないことも指摘されている。
新しい解説表では、こうした長周期地震動による影響のほか、阪神大震災以後に進んだ耐震化の効果も反映される見通しだ。解説表は、自治体が防災計画を立て、被害状況を推測し、初動態勢をとる上で指標にされる。ビルの管理者や高層マンションの住民に転倒防止策をとってもらうための資料にもなる。
横田崇・地震津波監視課長は「地震の起こり方や地盤の性質、耐震性の違いで被害は違ってくる。どういう場合は壊れ、どういう時は壊れないのか。専門家の意見を聞きながら、表現を検討していきたい」と話す。(神崎卓征、大久保泰)