福島市狐塚の仮出所者の宿泊施設「自立更生促進センター」の開所を巡り、住民の反対運動が起きている問題で、鳩山邦夫法相が29日、開所を延期する考えを示した。地元PTA関係者や住民3人が陳情に訪れたのに対し答えた。
法務省保護局観察課などによると、鳩山法相は住民らと約30分間懇談し、「センターの運用は停止できないが、地域の皆様に安心、納得していただくため要望を聞く時間を取りたい」と語ったという。同課はセンターの開所を「9月以降に延期する」とし、「引き続き理解が得られるよう努めていく。入所者の条件など今後検討する内容は未定」としている。
開所の延期について、反対運動している「福島市街地周辺の安心を守る住民の会」の熊坂良太代表(30)は「ようやくスタートラインに立てた。今後も施設の白紙撤回を目指し、油断せずに運動を続けていく」と話した。【今井美津子、松本惇】
毎日新聞 2008年7月30日 地方版