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日本車の本当の武器は品質よりも「サービス」

 日本車が恐ろしい理由は、製品自体が韓国車より優れているからというよりも、サービス面での競争力が優れているからだといいます。

 トヨタで副社長を務め、1990年代末にサムスン自動車の顧問を担当した今井弘氏は「現代自の品質は世界でも認められる水準に至っていますが、顧客サービスはさらに向上させていく必要性があります」と話しています。

 まずは販売方式です。韓国の営業所では車しか販売しておらず、自動車整備や中古車サービスにまで責任を負っていませんが、日本の営業所では販売店が整備や中古車販売、さらには廃車までも一括して請け負っています。来年10月に国内進出を果たすトヨタも、中古車の価格管理部署を別途に設け、長期的な販売拡大に向け力を注いでいく方針です。

 トヨタ本社の関係者は「トヨタの海外営業総括の浦西徳一副社長は、韓国進出の際に月間数千台水準の大胆な目標を掲げましたが、韓国国内の反日感情などを考慮し、月間目標を月500台にまで大幅に引き下げました」としつつも、「中古車として販売する際に、韓国車やそのほかの輸入車に比べて値段があまり下がらないとの認識が拡大すれば、需要は2、3年以内に大幅に拡大していくでしょう」と話しています。

 それでは販売に携わる人材効率はどうでしょうか。起亜自は本社の直営店が340店舗、代理店が424店舗で、営業マンは7300人にも上っています。今年7月の起亜自の内需販売は2万7000台で、営業マン一人当たり3.7台しか販売できなかったことになります。また、販売車種も、マージンが少なく生産が追いつかないモーニングやプライドといった小型車がほとんどです。

 さらに大きな問題は、販売労組に属している直営店の営業マンは、1カ月にわたって全く実績を上げることができなくても、月給の80%は保障されているだけでなく、車を数十台売ってもインセンティブ(売り上げ報奨金)がかなり低い水準だといいます。これは、販売労組が「営業マンの間での競争を助長する」とし、インセンティブ制度の拡大を拒否しているからです。

 一方、ホンダ・コリアは本社の直営店はなく、代理店は9店舗で、営業マンは250人余りにすぎません。今年7月の営業マン一人当たりの平均販売台数は6.7台でした。基本給は少なく、車1台を販売するたびに販売額の2%をインセンティブとして与えられるため、営業マン同士は競争する以外にないのです。営業マンがもうければ、顧客に対して再投資するようになるため、サービスも向上し、離職率が低下するなど、顧客管理の連続性も高まるというのです。

 こうした状況について、輸入車業界のある役員は「韓国の自動車メーカーは、販売や整備面でのサービスを見直していかない限り、日本車に負けてしまうのは目に見えている」と話しています。

崔源錫(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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