今日のニッポソ

北朝鮮製のステンレス継ぎ手製品が、中国を迂回（うかい）して神戸港に不正輸入されていた問題で、兵庫県警外事課と神戸水上署、神戸税関などは29日午前、外国為替及び外国貿易法違反（無承認輸入）などの疑いで、輸入していた石川県内の会社と貿易を仲介していた京都市内の商社などの家宅捜索に着手した。日本政府が昨年発動した、北朝鮮製の委託加工製品の輸入禁止を盛り込んだ経済制裁後、同法違反容疑などでの摘発は全国で初めて。

捜索を受けたのは、石川県河北郡津幡町南中条リ、パイプ継ぎ手製造販売業「フィッテング久世」や京都市右京区太秦組石町一、「向陽商事」など関係先数カ所。

調べでは、北朝鮮・平壌市内にある会社が、日本から輸入した原材料を使い、ステンレス継ぎ手製品を製造。中国・大連市内の会社に輸送した後、この会社が輸出名義人となり、中国製と偽って日本に輸出していた。

フィッテング久世や向陽商事などは共謀して、経済産業大臣の承認を得ず、昨年12月中旬、神戸税関ポートアイランド出張所長に対し、同製品の原産地を中国とする虚偽の輸入申告を行い、ステンレス継ぎ手約1万7000個を輸入した疑いが持たれている。

政府は北朝鮮の核実験実施をめぐって昨年10月14日、経済制裁措置を発動。これを受け、経産省は、同11月9日以降、日本から運んだ材料を北朝鮮で組み立てる委託加工契約により製造された製品の輸入を禁止する外為法の規定を改定していた。