東芝と韓国の重工大手、ドゥーサン(斗山重工業)が、原子力発電事業で、関係強化に向けた検討を進めていることが26日わかった。東芝傘下の米原発大手、ウェスチングハウス(WH)が手がける加圧水(PWR)型原発の蒸気発生器の生産をドゥーサンに発注することなどを検討しているほか、関連技術の共同研究も模索している模様だ。原油高や地球温暖化を背景に、世界各国で原発の建設計画が進んでいるため、国際的な分業体制を構築し、競争力を高めるのが狙い。
ドゥーサンはWH社と提携関係にあり、東芝がこれを受け継ぐ形。すでに、関係強化に向けた覚書を締結した。東芝・WH連合が米国や中国で受注したPWR型原発の基幹部品の一部を、ドゥーサンに発注する方向だ。
東芝は06年にWHを買収し、原発事業で世界3大陣営の一角に躍り出た。しかし、東芝はWHのPWR型と異なる「沸騰水(BWR)型」を採用している。東芝はBWR型では親密な関係にある重工大手、IHIに主要機器を発注している。技術的な違いが大きいPWR型は、ドゥーサンを協力相手に選び、生産体制を整える。
東芝は将来的にはIHIを含めた3社連合を形成したい考えも持っており、ライバルの日立製作所・米ゼネラル・エレクトリック(GE)連合、三菱重工業・仏アレバ連合に対抗したい考えだ。【宮島寛、宇都宮裕一】
毎日新聞 2008年8月26日 21時17分
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