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「教育委員会に言うからな!」が脅し文句 「モンスターチルドレン」が出現

2008/8/31      このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ!   Yahoo!ブックマークに登録   newsing it!   コメント  

   子どもが通う学校に身勝手な要求や苦情を繰り返す「モンスターペアレンツ」は社会問題にもなっているが、その子供版「モンスターチルドレン(児童)」が全国で増えているのだという。先生を見下し「教育委員会に言うぞ!」などと脅す。友達とトラブルになっても自分の非は認めず、相手を攻撃する。学級崩壊の原因にもなっている。なぜ「モンスターチルドレン」が生まれてしまったのか。

男性教師に「触ったらセクハラで訴える!」

   北国新聞の電子版(2008年8月27日付け)には「『モンスター児童』出現」、という見出しで、最近の子供の様子が書かれている。石川県法島町の「いしかわ子ども交流センター」では、子供が用具を返す際に礼を言う児童はほとんどおらず、用具が壊れても職員に知らせないまま帰る。皆で使うものだという意識が欠如してきたという内容だ。同センターの島村雅典企画交流課長はJ-CASTニュースの取材に対し、

「子供の行動を見ていても、親御さんは何も言わない。それに、自分の思い通りにならないと、とんでもない奇声を出す子供も増えてきた」

と打ち明ける。

   各地の先生方に聞いてみると、こうした「モンスターチルドレン」は石川県だけの話ではなく、全国的に存在しているようで、概ねこんな特徴がみられるそうだ。

   学校ではクラスのきまりを守らず、絶えずわがままな言動で担任やクラスメイトに理不尽な要求をする。自分の言い分を絶対に押し、教師は生徒に対し強い態度に出られないことを見切り、見下す態度を取る。女子生徒は教師に対し「触ったらセクハラで訴える!」。男子は教師に叱られそうになると「どうなるかわかっているのか!?」と恫喝。そして「教育委員会に言うからな!」となるのだそうだ。こういう生徒がいるとクラスのまとまりが崩れ、学級崩壊の危機を迎えるのだという。

「モンスターペアレンツ」から生まれる「チルドレン」

   こうした子供が増えている原因について、小学校で教諭・校長を30年務め現在は福岡県の「まごころ保育園」園長の有松宏さんはJ-CASTニュースに対し、

「子供が過保護に育ったことに加えて、自己中心で権利ばかりを主張する大人の社会を子供が真似ているのだろう」

と話した。

   そして、親の問題は大きく、「モンスターペアレンツ」の子供が「モンスターチルドレン」になっている可能性も高い、と指摘する。高学歴な親が増えたことも影響し、教師をバカにしたり、教師を初めから信じなかったりする。昔は子供が教師の悪口を言った場合など、親は逆に子供を叱ったものだが、いまは親が子供の言うことを鵜呑みにし、子供と一緒に教師を悪者にし、学校に怒鳴り込んでくる場合もある。そうしたことに子供が敏感に反応する。

   有松園長はこう話す。

「私が教壇に立っていた頃は、親は子供が言っていることが本当かどうかこっそり相談にいらしたり、教師が至らぬ場合は暖かく助言いただいたりして、私たち教師を育ててくれた。そんな関係による共同の子育てが崩れてしまっている。とにかく親御さんには学校や教師を信じて欲しい、と言いたいのですが」
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