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茨城沖地震に関連 海底に富士級の山 東大地震研発表

2008年8月30日14時24分

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図拡大沈み込む海山の図

 約20年おきにマグニチュード(M)7規模の地震が繰り返されている茨城県沖では、海底の下に富士山ほどの山(海山)が沈み込んでいて、地震の発生に関連していることを東京大地震研究所のチームが突き止めた。海山の山すそ部分にひずみがたまり、地震を引き起こしているという。米科学誌サイエンスに発表された。

 茨城県沖では、沈み込む海のプレートと陸のプレートの境界で、82年7月や今年5月に、M7規模の地震が発生している。研究チームは04年と05年、これらの地震の震源に近い同県沖約100キロの海底の構造を、音波探査などで調査した。

 その結果、海底から10キロほどの深さに沈み込んだ海のプレート上に、高さ約3キロ、幅約50キロの海山があることを確認。82年の地震の震源は海山の前方の山すそ付近にあたり、地震時に大きくすべる震源域が、さらに前方に向かって広がっていた。

 従来、海のプレートの海山が陸のプレートの下に沈み込むと、平らな部分に比べて摩擦が大きくなり、山そのものが震源になって地震が発生すると考えられてきた。同研究所の望月公広助教は「海山の進行方向にひずみが集中し、海山の前方が震源域になっていることが分かった。今後、海山があると海溝型の地震がどう伝搬するかを示唆できるようになるかもしれない」と話している。

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