『シンクレティック・オカルト・パンク』イラストレーター・有我悟(Arugha Satoru)の日記。
本館:秘教機械〜Tantra Machine〜 絵ブログ:カサブランカのバラッド
匿名・通りすがり・名無し・AA名前はお断り強制削除。
リンクが張ってあっても本文に一切言及の無いトラバは削除します。
現在までに559302人の方に閲覧戴きました。
当ブログの目次(MoKuJiサービス利用)
2005 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2006 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2007 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 | 09 | 10 | 11 | 12 |
2008 | 01 | 02 | 03 | 04 | 05 | 06 | 07 | 08 |
2008-08-27 暑い。
■[創作][雑感][同人]同人が同人であるという事とかその他。

d:id:inuinu_for_Writer:20080826を拝見して、ブコメも見て、同人=アマチュアリズムへの信仰(といってもいいでしょ?)って根強いんだなあまだまだ、と思った。うんあのね、東方じゃないけどこういう話した事あるんだ。コミケなんて18禁にして商業的にもっとやればいいって言われた事あるよ。コミケのアマチュアリズムについての理念も話したけど鼻で笑われました。
私が考えるところの二人の共通点は、同人活動あんまりしてなくて、あんまり深入りしてない事。醒めて見てるし、同人的アマチュアリズムに期待してない。だから、ブコメのお客様気分云々は的外れ。脊髄反射過ぎです。
私やらid:y_arimさんみたいな(と言っても私はメジャージャンルを横目で見ながらその恩恵に与ることなく活動するマイナージャンルの超ピコ手作家だった訳だが。今はメジャージャンルのピコ手。ピコ手って弱小って言う意味で良いよね)人達ってのはコミケの理念、アマチュアリズムを先輩達から徹底的に叩き込まれた世代なんだと思う。少なくともお客さん的な発言をすれば、周りからそれは違うそれは違うって叩き込まれてきた世代の筈。未だにその周りとの繋がりは生きていて、例えば「(ゲームやった事ないけど)ちょっと東方絵描いてみようかな♪」等と言おうものなら、東方ジャンルに関わっていない筈の人から「ゲームやってから描こうね♪」と言われるのが古き同人界のお約束*1。空気と言っても良いかも知れない。
今はそういう横の繋がりがなくてポンとこの世界に入ってきてる人も多いんじゃないかなあ。イベント会場で声をかけられて話して、マナーやら何やらを教えられる、って言うのが段々なくなってきているとは某イベントスタッフ知人の発言だった。
そういうジェネレーションギャップやら同人観の違いが出過ぎちゃったのが東方(または今回のエントリ)っていうだけで、他のジャンルも恒常的に抱えている問題だよね。東方が同人でないって言う訳じゃなくて、同人誌市場ってのが余りにも大きな「市場」になっちゃってる矛盾が問題なんだと思う。
一生懸命心を込めて作品を作ってて、ふっと思うのですよ。「こんな同人誌やグッズが一体何の価値を持っているのだろう?」って。自分が余り同人誌を買わないからそう思うのかも知れないんですが、これがお金に換わるという事が、何だか不思議でしょうがない事に思えます。そう思うようになったのが、つい最近。
そりゃ同人バブル華やかなりし頃にひっそりと同人デビューした身なので、某大手サークルがバリに旅行したとかえみくりが税金申告してるとかそういう話はありました。ありましたけど、今みたいに、同人で生計を営める作家が結構な数いて、それがわりと恒常的に成り立ってるってのがすごく不思議。いや、大体何部刷ってどれくらいの価格で売ればいくらいくらで、経費がいくらってのは勿論計算出来ますけど。何だかすごく、奇妙で巨怪な、得体の知れない力だと思うのですよ。そして、何時か崩壊する日が来るかも知れないな、と薄々考えていたりします。児ポの所為なのか、世界的な不景気の所為なのかは解りませんけれど。
本当に好きでやってる人達が沢山いるのも知っています。同じ位、好きでもないのにお金を稼ぐ為に描いている人達がいて、同人で一旗揚げてメジャーデビューの野心を燃やしている人達もいる。最近、それが本当に悪い事なのか正直余り解らなくなっています。良い意味での商業主義(同人的な意味じゃないですよ)で、買い手を満足させて、自分も喜ぶのが一番だって考えたら、別にお金を儲ける事自体は全く悪でも何でもない。そこに異議を唱えるなら、そもそもお金を戴いてはいけない。
どうもこの辺を履き違えている方が余りにも多いのではないかと感じます。多分意図的に履き違えて叩いている方も沢山いるのでしょう。
売れてる作家でもないし人気があるわけでもありませんが、一応絵で糊口を凌ぐ身になって、悪しきアマチュアリズムという奴の罪悪を自分自身の恥と共に痛感したので、自由な表現の場、以上のアマチュアリズムなんてものは擁護する気がありません。むしろ悪であると断言しても差し支えないと思ってます。
よくある同人での人を騙しての金儲けは、商業主義ですらありません。<ここ試験に出るよ重要!
あぶく銭は身につかない事は某同人作家がトレスしまくった挙げ句に脱税で捕まったのにも良く現れてるんじゃないかと思います。一人だけ幸せになろうとする人は、結局幸せになれない。子供です。
ほんとの商業主義なら、他人が喜んでくれて自分も幸せにならないとだめなんじゃないの? 表紙だけ本やら何やらで稼ぐのは、ガキのやる事です。後先考えてないから続かない。
そういうアマチュアリズムに対しての商業主義という意味なら、商業主義はとても意義のある事だと思います。
コミケットでそれやったら破綻すると思うけどね。あの中も、詳しくは知らないけれど相当真っ黒らしいと聞き及びますし……。個人的には、もっと儲けてもいいんじゃないのって思います。(形だけとは言え)企業だし。コミケと例大祭は立ち位置が違うから何とも言えないけど(例大祭は商業化出来ないだろうし)、商業的に同人誌即売会をやってる企業がそこそこうまく行っているように見えるところを見ると*2、全く出来ない訳じゃ無さそう。
後、全てのイベントが商業的にやればいいって思ってるわけじゃないんだからねっ(ツンデレ)! んでもぼちぼちそういう方向を目指してる小さなイベントも出てきているし*3。
ってこんな事言ったら黒い人に怒られそうだ(笑)
まだ色々思う事はあるけど、うまく言語化出来ないのでこの辺で。
敢えていうなら、昔に比べて色々分裂傾向で、縦の繋がりが薄くなったなあ、という事は言えるかな。だから、空気も横の空気しか解らない。継承が薄くなってる。特に一般参加者はそういえるかな。これがイベントスタッフになるとかなり古い空気が生きているように思うのですが。
作り手と買い手が平等って言うのも、現状を見たら欺瞞以外の何物でもないしなあ……。
- 76 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/inuinu_for_Writer/20080826
- 67 http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/arugha_satoru/20080827/1219824068
- 44 http://b.hatena.ne.jp/hotentry?cname=comic
- 42 http://d.hatena.ne.jp/inuinu_for_Writer/20080826
- 28 http://b.hatena.ne.jp/entrylist?sort=hot&url=http://d.hatena.ne.jp/
- 28 http://b.hatena.ne.jp/hotentry/diary
- 25 http://b.hatena.ne.jp/t/同人
- 22 http://b.hatena.ne.jp/add?mode=confirm&url=http://d.hatena.ne.jp/arugha_satoru/20080827/1219824068
- 22 http://b.hatena.ne.jp/y_arim/
- 18 http://b.hatena.ne.jp/y_arim/20080827
金儲けのためなら客の心など鷲掴みにしてみせる、そのためなら手段を問わない――そういう気魄が全身に漲りつつもおくびにも出さない、そういうもんだと思います。
あとぼくもピコ手もいいところで、最初に出たとき(2000年)こそ200部が3時間で完売しましたけどその後はどうにもアレで、最後に出た一昨年の冬コミでは、島端でようやく100部くらい売って、そのあとはとらのあなで残り200近くを数ヶ月かけて捌くという規模でした。まあずっと男性向けエロパロでやってたんで、このへんの感覚はコンセンサスが得られない部分も大きいとは思いますが。
あとぼくの場合、周囲には同人の基本概念に関して「現代的」な感覚の連中が増え始めていた世代でもあります。ぼく自身、作り手に回ったのはネット経由ですし。むしろ守旧派だったかも。
年代の事勝手に勘違いしてましたが、良く考えれば有村さんの方が私より若いに決まってた(ブシュー)。自分の頃は女性向け同人バブル真っ盛りの頃に、敢えて健全ゲーム同人(今みたいに一大ジャンルになる前、壁大手のゲーム同人が考えられなかったくらいの時代)でデビューして細々ピコ手でした。200部3時間完売とか絶対ないですね。今もない(笑)多分あの頃の同人誌はとらどころかホワキャンでも委託拒否されたでしょう東方だったとしても(笑)
ただ、何故かその頃から「同人は売れるように作らなければ行けない」という何か不思議な信念を持っていたのは憶えてます。これっぽっちもメジャージャンルで売れる本を作ろうなどと考えた事がなかったのだけは不思議ですが(笑)
コミケ休止中(一時引退してました)に、クリエイターズマーケットを見に行ったりして、自分達を売り出そうっていう気持ちでやってるのを見て、コミケなんかより遙かに厳しい世界だなあと思いました。共通の地盤がないから(オリジナルもそうだけど)余計にね。才能よりもプレゼン能力が必要な世界。
と言いつつ、同人も実は営業や戦略がすごく大事だと思いますけどね。売りたければ。
y_arim様色々フォロー有り難うございました。
お陰で今まで抱いていた違和感の理由がよくわかりました。
ただ、一応私自身心付けとしての金銭授受はアリだと思ってます。
表現活動でもコストがかかるやつって結構ありますから。
絵だって設備投資がいるし音楽はなおしかりです。
同人誌の原価が沢山刷れば実はバカみたいに安いのに、大手が原価価格で付けるとピコ手が実は困ったりする。神主がゲームをサークルに配ってるのも、サークルに並んで貰ったら困るよねっていう配慮もある(勿論、お礼の意味もあると思います。有難い事ですもの)同人があまりにも大きくなってしまったので、「趣味だから好き勝手やるぜ」で済まなくなってきている。みんなが自分の都合に合わせてやったら、直ぐに崩壊です。徹夜組だってそうだしサポートの件だってそうじゃないかな。
クリマでお金を貰って儲けるのは良くてコミケはダメなのか、とか(勿論、二次創作に於ける著作権の問題などもありますが)、だからといって皆が儲かってるわけじゃないので、売れないピコ手は赤字分を計上しちゃいけないのとか。
お金嫌いお金儲け悪! と言っても、結局お金がないと同人活動続けられないです。お金あるとやっぱりそれだけやれる事に幅が出ますからね。
神主は古い昔気質の良い意味でのアマチュアリズムを貫いていらっしゃる。尊敬すべき事ですが、皆が神主のアマチュアリズムを他人に押し付ける事は厳に慎まねばならないと思います。
同人はそれこそ自由であるべきで。