ネット予告犯罪を徹底捜査 東北の各県警インターネット上で無差別殺人や爆破などを予告する犯罪に、東北の各県警が警戒を強めている。ネットの匿名性を背景に安易な考えで犯行に及ぶケースが大半を占め、各県警は「社会が被る不安や迷惑は大きく、許される行為ではない」(宮城県警)と徹底的に取り締まる方針だ。「絶対に捕まらないと思った。なぜ捜査が自分にたどり着いたのか分からない」。仙台中央署が7月末、偽計業務妨害の疑いで逮捕した山形県金山町の無職の男(33)=業務妨害罪で起訴=は調べに対し、こう供述した。 男は6月28日、ネット掲示板に「おまわりさん鬼ごっこしましょう」とテーマを立ち上げ、「はやく逮捕してみろや無能警察。仙台駅にて人を10人は殺す。秋葉原駅にて人を10人殺す」などと書き込んだとされる。 男は身分証明書の確認の必要がないインターネットカフェを利用。アクセス履歴を消し、書き込み後はすぐに店を立ち去ったという。 宮城県警はサイバー犯罪専門の捜査員を含む約20人で捜査。アクセス履歴などから、2週間後には男をほぼ特定し、犯行1カ月後に逮捕した。 警察庁によると、東京・秋葉原の無差別殺傷事件以降、ネット上に無差別殺人を予告するいたずらが全国で相次ぎ、これまで59件の書き込みを確認。うち45人を逮捕、10人から任意で事情を聴き、未成年者5人を補導した。 東北では宮城のほか、山形、福島両県警が業務妨害容疑で、犯行予告を書き込んだ男をそれぞれ逮捕。各県警は厳しい姿勢で臨んでいる。 宮城県警生活環境課・サイバー犯罪対策室は「書き込みがうそであっても、警察は現場に出動する。その間、市民サービスは停滞し社会全体の被害にもなる。今後も捜査を徹底していく」と話している。
2008年08月31日日曜日
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