ログイン
IDでもっと便利に[ 新規取得 ]

ジャンル
サブジャンル

国内

新銀行東京、融資にブローカー暗躍…都議に口利き依頼も

8月31日3時4分配信 読売新聞


新銀行東京、融資にブローカー暗躍…都議に口利き依頼も

読売新聞

 経営難に陥っている新銀行東京(東京都新宿区)の融資に絡み、少なくとも5人のブローカーが介在していたことが読売新聞の調べでわかった。

 一部のブローカーは、仲介の見返りに、出資法が定める上限(5%)を超える手数料を融資先の中小企業側から受け取ったほか、融資の審査が通るよう決算の改ざんにかかわった疑いがある。ブローカーが自民、公明両党の都議らに口利きを依頼したケースもあった。都が1400億円を投じた新銀行で、不透明な仲介ビジネスの存在が初めて浮かんだ。

 新銀行を巡っては、甘い審査実態がすでに判明。ブローカーの介在が新たに明らかになったことで、現在検査を進めている金融庁の対応が、厳しいものになる可能性が強まった。

 融資を受けた企業側などの証言によると、5人のブローカーは、「簡単に融資が下りる」「政治家に顔が利く」などと持ちかけ、新銀行の融資が実行されると見返りを要求していた。

 仲介は、〈1〉ブローカーが都議らに新銀行側への口利きを依頼〈2〉ブローカーが企業に助言しながら新銀行に融資を申し込む−−などのパターン。5人がかかわった融資は、少なくとも約20件に上る。判明しただけで、企業側はそれぞれ3700万〜300万円の融資を受け、融資額の約7〜1%(150万円〜20万円)の手数料をブローカー側に支払っていた。融資後、経営破たんや休眠状態に陥り、返済が延滞している企業もある。

 都内の飲食店経営会社は2005年6月、知人に紹介されたブローカーの男性から「政治家を動かせるので、融資を受けられる」と持ちかけられた。同社幹部はこのブローカーを通じ、都議らに口利きを依頼した後、新銀行へ融資を申し込んだ。翌7月に3000万円が融資され、同社はブローカーに150万円の手数料を支払った。昨年末ごろから返済が滞っている。

 05年冬、別のブローカーから「赤字会社でも融資が受けられる」と誘われたという、機械設計会社の社長。赤字の決算書類を預け、約10日後に戻ってきた決算書を持って新銀行で融資を申し込むと、1週間後に満額2000万円が融資された。社長はこのブローカーに60万円を支払ったことを認めたが、「決算がどのように変わったかは覚えていない」としている。

 別の食品加工会社の社長は、06年に受けた300万円の融資の謝礼に約7%にあたる20万円をブローカー側に支払ったことを証言した。同社は昨年から休眠状態で、返済が延滞している。

 新銀行東京・総合企画部の話「融資にブローカーが関与しているかどうかは把握できない。法的な問題があるなら、刑事告訴など厳しく対処したい。議員から融資先の紹介を受けることはあるが、審査は厳正に行っている」

最終更新:8月31日3時4分

主なニュースサイトで 新銀行東京の経営難問題 の記事を読む


提供RSS