グルジア:ロシア平和維持軍駐留協定を一方的に破棄

 【モスクワ大木俊治】グルジア政府は29日、南オセチア自治州とアブハジア自治共和国へのロシア平和維持軍駐留の根拠となっている、90年代に締結された協定を一方的に破棄した。ロシアが独立を承認した両地域に駐留する平和維持軍の「非合法化」が狙いとみられるが、ロシアが応じないのは確実だ。

 グルジア外務省は、協定の破棄による効力停止を国連安保理や全欧安保協力機構(OSCE)、欧州連合(EU、27カ国)議長国などに通告する方針で、今後の国際社会の対応も注目される。

 両地域ではソ連崩壊後、独立を求める勢力とグルジア軍の内戦が発生。南オセチアについては92年、アブハジアについては94年に停戦協定が結ばれ、ロシアは両協定に基づいて平和維持軍を駐留させてきた。

 ロシアが今月16日に署名した6項目の和平合意文書は「国際メカニズムの導入までロシア平和維持軍が追加的な安全措置を行う」と規定。ロシアは部隊駐留など「安全措置」の詳細は両協定に基づくと主張している。

毎日新聞 2008年8月30日 11時32分

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