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タイの邦人殺害にみえる 外こもり生活 (1/2ページ)

2008.8.30 22:15

 タイの首都バンコクで今月、現地に長期滞在していた棚橋貴秀さん(33)の絞殺体が発見された。事件は、タイ警察が殺人容疑で日本人男性2人の逮捕状を取るなど日タイ両国で捜査中だ。なぜ、棚橋さんはバンコクで暮らし、凶行に倒れたのか。そこからは、若者の「引きこもり」「ニート」といった日本の社会状況を映した、『外こもり』という現象がみえてくる。(赤堀正卓、鎌田剛)

 ■著書を出版

 殺害された棚橋さんは7月、安田誠のペンネームで『外こもりのススメ』(幻冬舎コミックス)を出版したばかりだった。

 著書によると「外こもり」とは「目的もなく海外の都市にこもってブラブラしている人」。言葉自体は5年ほど前からあったようだが、閉鎖空間で過ごす引きこもりと違い友人と騒いだりもする。著書では「ニートに近く『外ニート』ともいえる」としている。

 知人によると、棚橋さんは郵便局を10年前に退職。世界各地を放浪後、平成11年ごろバンコクで外こもりを始めた。著書では理由を「日本社会は居心地が悪い」と説明。「几帳面(きちょうめん)な人が多く、細かい指摘をされる。周囲と違う人は排除されがち。一度レールを外れると再出発が困難…」といったことを挙げている。

 物価が安いため生活費は月10万円以下。インターネットでの株式投資やFX(外為証拠金取引)などで捻出(ねんしゆつ)していたようだ。

 棚橋さんにとって出版は初体験。企画した丸山貴史さんによると、棚橋さんは出版の狙いを「社会に息苦しさを感じている引きこもりやニートに、『何カ月か日本を離れて外こもりをしてみるのもいい』と訴えたい」と話していた。

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