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タイの邦人殺害にみえる 外こもり生活 (2/2ページ)

2008.8.30 22:15

 ■資産家と誤解?

 タイ警察が殺人容疑で逮捕状を取った日本人2人のうち、大阪府出身の男(30)は、棚橋さんの隣のマンションにいた外こもり仲間だ。

 知人らの話だと、当初は貿易業などで生活をしていたが業績が振るわず、定職を持たない外こもり状態になっていったようだ。棚橋さんとは2年前に知り合い、株式などの投資情報を交換する関係となった。

 外こもりの取材などを通じ2人と面識があるフリーライターの高島昌俊さんは「2人にトラブルの話はなかったが、男が棚橋さんの運用資産を知っていた可能性がある」と語る。

 殺害後、棚橋さんの口座からは約1000万円が引き出されているという。資産をめぐる外こもり仲間の嫉妬(しっと)や確執が事件を起こした可能性もありそうだ。

 ■世界に1万人

 外こもりの姿を著書『日本を降りる若者たち』(講談社現代新書)で描いた旅行作家の下川裕治さんは、世界各地にこもる日本人を「バンコクを中心に約1万人」と推計する。

 棚橋さんも著書で、「日本の短期労働で稼ぎタイで使うことを繰り返す」「日本で転職を繰り返すがうまくいかず渡航」といった仲間を紹介。そこからは、求人倍率悪化、正社員になれない…などの労働環境が外こもりの一因であることがうかがえる。

 最近は世界的株価低迷やインフレなどで、外こもり環境が厳しくなっている。だが下川さんは「若者に厳しい現在の日本の雇用状況が続く限り、外こもりは減らない。今回の事件が外こもりだから起こったとは思わないが、図らずも外こもりが注目されることになった」と指摘している。

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