【モスクワ=星井麻紀】グルジア外務省のワシャーゼ次官は29日、ロシアとの外交関係を断絶すると発表した。インタファクス通信などが伝えた。ロシアがグルジアの南オセチア自治州とアブハジア共和国の独立を承認したことへの対抗措置と位置付けており、両国関係の悪化は決定的なものになった。ただ、ロシア国内での領事業務などは続けるとしている。
91年のソ連崩壊以来、旧ソ連から独立した国とロシアが外交関係を断つのは初めて。
同次官によると、グルジアはロシア国内のグルジア外交官全員を召還。今後、両国間の政治関係を扱う在ロシア大使館を閉鎖するとしている。また、グルジア駐在のロシア外交官も、国外に退去しなければならないとした。期限などは協議の上、決定するという。同次官は、今後のロシアとの友好関係は修復できるかと問われ、「生涯、あり得ないだろう」と述べた。
だが、ロシア国内には多数のグルジア人が居住しており、「人道的な問題を解決する必要がある」として領事館を残し、領事、副領事、技官の3人で業務を続ける見通しという。また、両国内以外の第三国では、ロシアと外交的な接触を続ける可能性があるとした。
同通信によると、ロシア外務省はグルジア外交官の召還に遺憾の意を表明。ロイター通信は、グルジアの決定を受け、駐トビリシのロシア大使館も閉鎖することになると伝えた。
グルジア議会は28日、ロシアとの外交関係を断絶するよう政府に求める決議を採択。27日にはトケシェラシビリ外相が駐モスクワのグルジア大使館から大多数の外交官を召還すると明らかにしていた。