毎月、季節やそのときどきで問題になる防災にまつわる事柄をテーマにしてお届けします。
東京消防庁  広報テーマ(9月号)
テーマ1 9月9日は救急の日です
テーマ2 日常生活における事故を防止しよう
―データと事例で見る『日常生活に潜む事故』―
東京消防庁広報テーマ(9月号)テーマ1

テーマ1

9月9日は救急の日です

1 平成19年中の救急活動

 救急業務は、公共性の高い緊急業務であることから、都民の皆さんに公平かつ適正に利用していただくことが大切です。
 東京消防庁の救急出場件数は、平成19年中は69万1,549件でした(表1参照)。

表1 平成19年中の救急活動概要

出場件数 691,549 件
救護人員 625,753 人
1日平均 1,895 件
出場頻度 46秒に1回の割合で出場したことになります。

 1日平均1,895件、46秒に1回の割合で救急車が出場していることになります。
 救急車を利用する理由の中には、「無料で、優先的に診てくれると思ったから」(消防に関する世論調査平成19年11月)というものがあります。「救える命」を救うためにも、救急車は緊急性があるときに利用するようお願いします。

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2 応急手当について

 年齢区分における心肺蘇生の内容を表2に示します。詳しい内容につきましては、東京消防庁ホームページ応急手当の手順をご覧ください。

表2 年齢区分における心肺蘇生

対  象 心肺蘇生 人工呼吸 胸骨圧迫
胸骨圧迫
:人工呼吸
送気量 送気
時間
送気
回数
圧迫位置 圧迫法 圧迫の強さ テンポ
成  人
(8歳以上)
30:2 胸の上がりが
見える程度の量
約1秒 2回 乳頭と
乳頭の
真ん中
両手 4〜5cm 約100回
/分
小  児
(1歳以上
8歳未満)
両手又は片手 胸の厚さの
1/3
乳  児
(1歳未満)
上記より
指1本足側
2指
備  考  応急手当(心肺蘇生とAED(自動体外式除細動器)の手順)は、救急隊に引き継ぐか、何らかの応答や目的のある仕草(例、嫌がるなどの体動)が表われたり、普段どおりの息に回復するまで続けます。

 また、前回の講習修了後、2年から3年が経過されている方、また、救命講習を受けたことのない方は、これを機会に救命講習を受講し、尊い命を救うため、新たな応急手当の方法を身につけましょう(表3参照)。

表3 主な講習会の種別

講習の種別 講習内容
普通救命講習
(3時間)
 成人を対象とした、心肺蘇生やAED(自動体外式除細動器)の使用方法及び止血法を学びます。
普通救命
(自動体外式除細動器
業務従事者)講習
(4時間)
 詳しくAEDの使用方法をマスターしたい方などを対象に、上記の内容に加え、AEDの知識の確認と実技の評価が行われます。
上級救命講習
(8時間)
 成人や子供を対象とした、心肺蘇生(AEDの使用方法含む。)や止血法、外傷の手当などを学びます。
応急手当普及員講習
(24時間)
 心肺蘇生(AEDの使用方法を含む。)や止血法などについて、指導する要領を学びます。

○ 講習内容をマスターした方には認定証を交付します。
○ 講習に関する問い合わせ先

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3 バイスタンダー(その場に居合わせた人)の奏功事例について

 実際にバイスタンダーが、応急手当を行い、尊い命を救った事例を紹介します。

【事 例】

 サッカーの試合中に、40歳代の男性が突然倒れました。反応がなく普段どおりの息をしていなかったため、チーム関係者が直ちに心肺蘇生とAEDを実施しました。AED(電気ショック)が必要な状態であったため電気ショックを実施した結果、救急隊が到着したときには、意識と呼吸と脈拍が回復していました。

 このように緊急の事態に遭遇した場合、適切な応急手当が実施できるように、日ごろから応急手当に関する知識と技術を身につけておくことが大切です。

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4 救急救命士による薬剤投与

 平成18年4月から救急救命士による薬剤(アドレナリン)投与が始まりました。この薬剤は強心剤で、心肺停止傷病者への第1選択薬として使用されています。救命上必要な場合、救急救命士は救急現場や救急車内において、意識がなく心臓機能が停止している傷病者に対し、医師の指示に基づきながら薬剤を投与します。
 「アドレナリン」を投与できるのは、厚生労働省が示す一定の基準に沿った講習や医療機関での実習を終了した救急救命士に限られています。このため、救急救命士は都内の救命救急センターや大学病院などで、医師の指導のもとに薬剤実習のための病院実習を実施しています。
 現在、東京消防庁では約300名の救急救命士が薬剤実習を終了し、救急現場で活動しています。

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