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【社会】

元高検部長、実刑確定へ 捜査情報漏えい汚職 最高裁が上告棄却

2008年8月30日 朝刊

 捜査情報を漏らす見返りに元暴力団組員から接待を受けたなどとして、収賄罪などに問われた元大阪高検公安部長三井環被告(64)の上告審で最高裁第二小法廷(中川了滋裁判長)は上告を棄却した。懲役一年八月、追徴金約二十二万円とした二審判決が確定する。決定は二十七日付。

 三井被告は確定後に収監される見通し。法務省は「検事の収賄罪が確定した事例は(他には)把握していない」としている。

 三井被告は、情報提供者への謝礼金などに充てる調査活動費の不正流用について実名での告発を準備。二〇〇二年、テレビ出演直前に大阪地検特捜部に逮捕された。

 〇五年の大阪地裁は「高度の廉潔性が求められる立場にありながら社会の信頼を大きく損ねた」と実刑を言い渡した。昨年、大阪高裁も一審判決を支持したが、調活費問題について「不正流用があったと言わざるを得ない」と言及、検察の裏金づくりを認定した。

 確定判決によると三井被告は〇一年六−七月、捜査情報を漏らす見返りに元組員から計約二十二万円相当の飲食などの接待を受けるなどした。収賄罪に問われた六回の接待のうち、女性の接待を受けたとされる一件は無罪となった。

 

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