県と熊本大は、医師不足に対応するため09~17年度の9年間、同大医学部の定員(100人)を毎年5人ずつ、計45人増員すると発表した。
国の「緊急医師確保対策」の一環で、県は、毎年5人分の入学金や授業料を貸与する奨学金制度を創設する。卒業後、知事が指定する県内の医療機関で9年間勤務すると、返還が免除される。
このほか、医師不足が深刻な地域医療の課題などを研究する「地域医療システム学寄付講座」(仮称)を県が出資して09年1月から5年間、熊大付属病院に設置▽医学生を天草などの中核病院で研修させる地域医療プログラムを来年度から策定▽女性医師の離職防止に県と大学が連携--することなどで合意した。
出身県で9年間のへき地医療に従事することが義務付けられている自治医大卒業生に、期間終了後も県内に残ってもらうため、熊本大が研究支援などすることも決まった。
同大の原田信志医学部長は「増員の効果が出るまで10年かかる。在学生にも地域医療に興味を持たせることが大事だ」と話している。【門田陽介】
毎日新聞 2008年8月30日 地方版